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肩こり&腰痛がひどいときに「マッサージチェア」使ってOK? 整体師が教える4つの“注意点”

オトナンサー / 2024年5月23日 9時10分

マッサージチェアを使うときの注意点とは?

 肩こりや腰痛のときに使うと快適なのが、「マッサージチェア」です。公衆浴場や宿泊施設などに設置されており、使ったことがある人は多いと思います。ところで、肩こりや腰痛がひどいときにマッサージチェアを使っても問題はないのでしょうか。使用により、かえって肩こりや腰痛が悪化する可能性はあるのでしょうか。

 マッサージチェアを使うメリットや注意点について、「大阪重症膝痛専門整体院ひなた」(大阪市天王寺区)の院長で、整体師の豊田啓太さんに聞きました。

■刺激により筋肉が硬くなることも

Q.そもそも、マッサージチェアを使うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。

豊田さん「主なメリットは次の通りです」

(1)軽度の腰痛や肩こりであれば、症状の緩和が期待できる
軽度の腰痛や肩こりを抱えている人がマッサージチェアを使った場合、症状緩和の効果が期待できます。腰痛や肩こりは筋肉の硬さが原因なので、その部分をほぐすことで血液の循環が良くなり、痛みや筋肉の疲労軽減に効果があるからです。

(2)誰でも手軽にマッサージを受けることが可能
マッサージチェアは、体を動かさなければならないトレーニングやストレッチとは違い、ただ座って機械を操作するだけで済みます。

(3)精神的にリラックスできる
マッサージチェアを使ってマッサージをすることで、リラックス効果を得ることができます。人はリラックスをすることで、副交感神経が優位になります。それにより、血管が拡張し血流が促進され、肩こりや腰痛などの軽減のほか、疲労回復にもつながっていきます。

マッサージチェアの使用中は、深く呼吸するのもお勧めです。深い呼吸を意識することで副交感神経がさらに優位になり、血管が緩み、血流の促進につながるからです。

Q.マッサージチェアを使う際の注意点について、教えてください。

豊田さん「次の4点に注意しましょう」

(1)肩こりや腰痛の根本的な改善につながらない
腰痛や肩こりのときにマッサージチェアを使い、筋肉をほぐすだけでは改善が難しいです。全身にはさまざまな筋肉が存在していますが、それぞれの筋肉がバランス良く働くことで体を支えています。そのため、体の一部の筋肉がうまく使えていない場合、その筋肉の働きを補うために、他の筋肉が過剰に働くというメカニズムが生じます。

例えば、肩甲骨を安定させる上で大切な筋肉は、背骨から肩甲骨に付着する筋肉である『菱形(りょうけい)筋』のほか、肩甲骨から肋骨に付着する筋肉である『前鋸(ぜんきょ)筋』です。

肩こりで悩んでいる人が、頚椎(けいつい)と肩甲骨をつなぐ『肩甲挙筋』をほぐすと一時的に楽になりますが、菱形筋がうまく使えていないと、再度これらの部分が硬くなるということが起きてしまうのです。

同様に、腰痛も関節を支える筋肉が根本的に働いていないのが原因です。腰が痛いときに腰の辺りをトントンとたたきたくなりますが、腰痛の主な原因は、下部肋骨(ろっこつ)、腰椎と骨盤をつないでいる『腰方形筋』という筋肉が硬くなることです。

この腰方形筋が硬くなるのは、腰椎と股関節をつなぐ筋肉群の『腸腰筋』のほか、腰の後ろを支えている『多裂筋』、コルセットのように腰回りを覆っている『腹横筋』がきちんと働いていないためです。これら3つの筋肉が働かない場合、腰方形筋やその他、腰回りの筋肉がガチガチに硬くなり、結果として腰痛になってしまうのです。

お勧めは先述の腸腰筋や多裂筋、腹横筋をしっかりと働かせるために、筋トレやストレッチといったセルフケアを行った後、マッサージチェアの弱いレベルの刺激で腰回りの筋肉を緩めていくことです。こうすることで根本的な解決が見込めると考えます。

ただし、重度の腰痛のほか、ヘルニアや脊柱管狭窄(きょうさく)症、すべり症といった病気の中には、筋肉の硬さ以外の原因で痛みが出ているケースがあります。これらの病気に該当する人は、マッサージチェアを使用しない方が良いでしょう。マッサージチェアの効果が期待できるのは、あくまで筋肉が硬くなったことが原因で症状が出ている場合に限ります。

(2)炎症がある部分をマッサージすると余計にひどくなる
ぎっくり腰や寝違えなどで炎症が強くなっている場合、マッサージを避けるのが望ましいです。なぜなら、炎症が強いときに患部をマッサージしてしまうと、余計に症状を悪化させてしまうからです。

(3)骨折リスク
高齢の人がマッサージチェアを使用する際は注意が必要です。特に骨粗しょう症にかかっている人が、マッサージチェアで骨がもろくなっている部分をマッサージすると、骨折する可能性があります。骨粗しょう症などで骨がもろくなっている人は、マッサージチェアの使用を控えた方がよいでしょう。

(4)刺激の強いマッサージを行うと余計に筋肉が硬くなる
マッサージチェアの使用時に筋肉に強い刺激を与えた場合、筋肉がその強い刺激から体を守ろうとするため、筋肉が硬くなってしまうリスクがあります。マッサージチェアを使用する際は、低刺激で短時間で終わらせることをお勧めします。

■マッサージチェアは毎日使ってもよい?

Q.マッサージチェアを毎日使っても問題はないのでしょうか。

豊田さん「個人的な意見ですが、強い刺激でマッサージをすると余計に筋肉が硬くなるリスクがあるため、マッサージチェアはたまに使うのがベストだと考えます。ただ、10分から15分ほど弱い刺激を与える程度であれば、毎日使用しても問題ないと考えます。刺激の強さと短時間で行うことを意識して使用しましょう」

Q.子どもがマッサージチェアを使っても問題はないのでしょうか。

豊田さん「けがをする恐れがあるため、未就学児が使用するのはお勧めしません。また、小学生の場合も、筋肉量が少ない部分に強い刺激を与えてしまうと、筋肉が余計に硬くなるリスクがあるため、使用を控えた方がよいでしょう。どうしても使用したい場合は、月に1~2回程度、一番弱いレベルの刺激で短時間行いましょう」

オトナンサー編集部

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