夫婦は「一生お友達」感覚にシフトした方がうまくいく? 48歳女性が再婚で得た“親友みたいな夫”との幸せ
オトナンサー / 2024年5月25日 8時10分
「結婚相手に求めることを3つ挙げてみて!」…さて、どんな答えが出てくるでしょう。昭和バブル期は、女性が求める条件で「三高」という言葉が飛び交いました。高身長・高学歴・高収入――。略して「三高」と名付けられたのです。
今はワークライフバランスが大事にされる多様性の時代。結婚の形もさまざまになり、それに伴って結婚相手に求めることにも個性が表れるようになりました。「ずっと友達みたいな夫婦でいたい」という、ロマンスに偏らない声も出てきています。
今回は、パートナーと親友のような関係を求めたご夫婦について、「恋人・夫婦仲相談所」所長の筆者が紹介します。
■結婚相手に求める条件、トップ3は男女共通
国立社会保障・人口問題研究所が2021年、未婚男女を対象に行った「第16回出生動向基本調査」の「独身者調査」によると、結婚相手に求める条件のトップ3は、男女ともに完全に一致していました。
1位:人柄
2位:家事・育児に対する能力や姿勢
3位:仕事への理解と協力
ちなみに、女性の4位は「経済力」、男性の4位は「容姿」という結果に。1位から3位は全て、相手の中身の問題です。専業主婦が激減した今、男女ともに、仕事の価値観や人生観が自分と合うかどうかを大切にしていることが分かります。
そして、女性の結婚後に希望するライフコース像は「子どもを持って、仕事も続ける」が最多です。また、男性がパートナーの女性に求める姿も同じく「子どもを持って、仕事を続ける」が最多となりました。これを見ると、男女ともに対等でありたいという意識が表れているように思います。
■初婚を経て再婚で見つけた“友達感覚”の夫
友香さん(48歳、仮名)は27歳のとき、大恋愛の末にスピード婚しました。お相手は日本に留学中だった、当時28歳のフランス人男性。日本人男性では見かけないような女性をかばう姿勢と包容力、褒め言葉を24時間ささやいてくれる夢のような時間……自分の存在意義をこれほど認めてくれる相手に、友香さんはぞっこんになります。
彼がフランスに帰国してからも、毎日のように連絡を取り合った友香さん。「ずっと一緒にいるためには結婚しかない!」と仕事を辞めて渡仏し、結婚しました。ところが……慣れない海外で暮らし始めると、相手の薄情なところが目に付くようになります。
ホームパーティー好きの夫はしょっちゅう友人たちを招きました。言語の違いから流ちょうに話すことができない友香さんは、拙い英語で何とかしようとしますが、やはり置き去り。孤独感を募らせていました。
夫は「君が早くフランス語を理解できるようになればいいだけ。自分も日本で同じような思いをしていた」と取り合ってくれません。レディーファーストなところや、褒め言葉をささやいてくれるところは交際時から変わりませんでしたが、実のある充実時間を過ごすことが難しくなり、1年で離婚を決意して日本に戻ってきました。
友香さんはその後、何度か恋愛を経ますが、結婚まで至らず。半ば諦めていたところ、趣味が出会いのきっかけとなり、44歳のときに再婚します。相手はジョギングで出会ったマラソン仲間。2つ年上でバツイチだった寛さん(仮名)は、元妻の不倫で離婚したといいます。
「お互いにもう恋愛結婚はこりごり、というところで意気投合しました。恋愛感情というより、一緒にいて気楽で面白い。
マラソンという趣味が一緒。食べたことをないものを食べるのが好き。テレビよりもラジオが好き。お互いに推しがいて、推し活も理解し合える。子どもを望んでいないところも一緒。この人とならずっと仲良く暮らしていけるなと思って、結婚を決めました」
友香さんは今年、寛さんとパリ旅行をして、元夫とその再婚相手の4人でディナーを楽しんだそうです。
「元夫とあのまま結婚生活を続けていても、ずっと苦しいままだったと思います。恋愛感情は消えかかっていましたから。今の夫とは、あらゆる場で笑い合うことができる親友みたいな関係で幸せです」
■ロマンス継続を相手に求めるのは無理がある
結婚相手に求めることが“性格&人柄”だったとして、交際期間に全てを知り尽くすことは不可能です。離婚相談のとき、「こんな意地悪な性格の人だと思わなかった」「優しい人柄だと思って結婚したのに」という、「結婚してから出てきたネガティブな性格」を指摘する人は大勢います。
ロマンス継続を相手に求めるのは無理があります。結婚後は親戚問題や、転職で収入が落ちる事態、子育て意識の違いなど、都合が悪いことも降りかかってきます。恋愛感情は二の次で、現状に立ち向かわなければなりません。となると、「一生お友達」感覚にシフトした方が、気持ちが軽くなるかもしれません。
「お互いに尊重し合うこと」が夫婦関係のベースであると、私は思います。その上で、相手にどんな役割を求め、自分はどんな役割を果たすかを深く話し合う時間を設けるのがいいかと。「いつまでも恋していたいタイプ」「ロマンス抜きで、家族を守る仲間でいたいタイプ」「子どもの手が離れるまで、仕事と家事をシェアする仲間でいたいタイプ」…ゆっくり時間をかけて、自分たちの結婚観を探りましょう。
ずっと“ラブラブ恋愛夫婦”でいたい人も、“絆がっちりの親友夫婦”になりたい人も、それぞれお互いの努力が必要なことをお忘れなく!
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美
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