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吉沢亮“飲酒トラブル”で話題に…「不法侵入」は本来どんな罪に問われるのか【弁護士解説】

オトナンサー / 2025年1月17日 8時10分

吉沢亮さん(2024年6月、時事通信フォト)

 他人の住居に許可なく侵入する行為「不法侵入」。1月6日には、俳優の吉沢亮さんが2024年12月、自宅マンションの隣室に酒に酔った状態で無断侵入した疑いで、警視庁から任意で事情聴取を受けていたことが報道され、SNSで驚きの声が多数上がるなど話題となりました。なお、1月14日には、隣室の住人との間に示談が成立したことを所属事務所が報告。吉沢さん本人も「あまりにも身勝手で非常識な行為」「自分の未熟さを痛感しております」と謝罪のコメントを発表しています。

 このニュースをきっかけに、「不法侵入って逮捕されないの…?」「飲酒の有無で変わるのかな」など、「不法侵入」そのものに対する関心の声も多数聞かれました。そこで、人の住居に無断で侵入する行為は本来どんな罪に問われる可能性があるのか、芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に教えていただきました。

■逮捕される可能性「あり」

Q.「住居」「侵入」はそれぞれ、法的にどのようなこと・状態を指すのでしょうか。

牧野さん「住居侵入罪の『住居』には、『人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船』が該当します。『侵入』は、正当な理由がないのに、住居権を侵害するものと最高裁判決(1983年4月8日)は解釈しています」

Q.住居に無断で侵入した場合、どんな罪に問われる可能性がありますか。

牧野さん「正当な理由がないのに、人の住居などに侵入した場合には住居侵入罪が成立します。また、未遂の場合も処罰されます。法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

鍵やドアを壊さないで住居侵入した場合には、住居侵入罪のみが成立する可能性がありますが、鍵やドアなどを壊した場合には、住居侵入罪に加えて『器物損壊罪』も成立する可能性があります。器物損壊罪は、故意に他人の所有物を壊す、もしくは使えない状態にした罪で、法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

いずれの場合でも、逮捕される可能性があります。住居侵入罪と器物損壊罪の併合罪になると、罪がより重い器物損壊罪の1.5倍の法定刑(4年6カ月以下の懲役または45万円以下の罰金)で処罰される可能性が考えられるでしょう」

Q.住居に無断で侵入した人物が「酒を飲んで酔っている状態」「酔っていない状態」で、罪の重さなどに違いは生じますか。

牧野さん「『正当な理由がないのに、人の住居などに侵入した』点では同じですので、特に法定刑の重さには軽重はないでしょう。飲酒により人に危害を加える危険性があるにもかかわらず、それによって自ら心神喪失(責任無能力)または心神耗弱(限定責任能力)の状態に陥り罪を犯す場合(学問上、「原因において自由な行為」と呼ばれる)については、犯罪の成立を否定されるわけではありません」

Q.その他、住居への無断侵入についての法的なポイントは。

牧野さん「例えば、侵入した人物が『トイレをしたくて勝手に入ってしまった』場合には、刑法第37条1項の『緊急避難』で、免責が認められる可能性もゼロではありません。ただし、(1)現在の危難があること(2)避難の意思があり(3)補充性の要件(やむを得ずにした行為)、(4)法益権衡(生じた害が避けようとした害の程度を超えない)―の要件を満たす必要があります。

自宅マンションの隣室に無断で侵入した場合、トイレをするのであれば急いで自宅でもできるので、(3)と(4)は要件を満たすことが特に難しく、緊急避難が認められることは非常に難しいでしょう」

オトナンサー編集部

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