【健康診断】コレステロール、中性脂肪が基準値超え 「ほったらかし」はやっぱり危険? 今すぐできる改善法とは
オトナンサー / 2025年2月4日 9時10分
健康診断の脂質検査で「コレステロールや中性脂肪の数値が高い」と指摘され、不安に感じたことがある人は多いと思います。一方、これらの数値が高いと指摘されても放置してしまう人もいるようです。
コレステロールや中性脂肪の数値が高いと、健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。また、「コレステロール値に一喜一憂する必要はない」という学説も登場していますが、本当に気にしなくてもよいのでしょうか。
コレステロールや中性脂肪の数値が高いときにすぐに取り組むべき対策のほか、脂質検査でC判定(要経過観察)やCより悪かった場合の対策なども含め、内科医の市原由美江さんが解説します。
■ 肝がんのリスク増
まず、コレステロール値や中性脂肪値が高い場合のリスクについて、解説します。コレステロール値が高いと動脈硬化が進みやすいので、狭心症や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞など、血管が細くなることで引き起こされる病気のリスクが上がります。
また、中性脂肪値が高いと内臓脂肪が蓄積され、肥満の原因になるほか、脂肪肝へ進展する恐れがあります。これらは糖尿病のリスクになりますし、脂肪肝は肝臓がんのリスクにもなるため、注意が必要です。
ただし、コレステロール値や中性脂肪値は低ければいいというものでもなく、中性脂肪は体内のエネルギー源になるので、数値が低過ぎる場合、倦怠(けんたい)感などの症状が出る人もいます。コレステロールは細胞膜やホルモン、胆汁酸の原料であり、体に必須の成分です。
健康診断の脂質検査の項目には、「中性脂肪」のほかに「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「総コレステロール(TC)」「non(ノン)-HDLコレステロール」があります。
LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがありますが、過剰になると動脈硬化を引き起こします。HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、余剰なコレステロールを回収する働きがあるので、数値が低いと問題があります。
総コレステロールはLDLコレステロールとHDLコレステロールを合わせたもので、以前は主にこの数値で病気のリスクを判断していました。しかし、体によい働きをするHDLコレステロールが高いことで総コレステロールも高くなることがあるなど、総コレステロールでは病気のリスクを正確に判断できないため、最近では、LDLコレステロール、HDLコレステロールを見て判断しています。
non-HDLコレステロールとは、総コレステロールからHDLコレステロールを差し引いたものです。悪玉と呼ばれるコレステロールはLDLコレステロール以外にもあり、それらを表したものです。
■脂質検査の判定がCより悪かった場合は?
もし健康診断の脂質検査でD判定(要医療)やDよりも悪かった場合は、すぐに内科を受診してください。C判定(要経過観察)だった場合、急いで受診する必要はありませんが、基準値を超えているので生活の改善が必要です。
LDLコレステロールやnon-HDLコレステロールが高いのであれば、動物性脂肪を含む食品や卵の摂取を控えめにしましょう。例えば、動物性脂肪を含む食品には、肉の脂身のほか、ウインナーやベーコンといった加工肉、牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品が該当します。一方、中性脂肪は炭水化物の過剰摂取や飲酒、脂肪の摂取によって高くなります。
ただし、女性ホルモンや甲状腺ホルモンが減ると、コレステロール値は高くなります。食事の内容を改善しても数値が改善しない場合、特に甲状腺ホルモンの検査をするのが望ましいです。
なお、ネット上では「コレステロール値に一喜一憂する必要はない」という内容の情報が散見されるようになり、コレステロールを気にしなくてもよいのではないかと考える人もいると思います。
確かに厚生労働省が5年おきに公表する「日本人の食事摂取基準」(以下、食事摂取基準)では、2015年からコレステロール摂取の上限値がなくなりました。なぜなら、食事から摂取するコレステロールが血液中の悪玉コレステロールにどの程度影響を与えるかについては、個人差が大きいからです。
しかし、上限値がなくなったことは「コレステロールをどれだけ摂取しても大丈夫」を意味しているわけではありません。また、この基準値は病気のない健康な人の基準値であって、糖尿病や慢性腎臓病、心筋梗塞の既往の有無などによって基準値は異なります。
実際に、厚労省は2020年の食事摂取基準で、脂質異常症の重症化を予防するため、コレステロールの摂取量は1日200ミリグラム未満にとどめることが望ましいと記載しています。
日頃から暴飲暴食は避け、食事の内容や食事量に注意するとともに適度な運動を心掛けるようにしてください。
オトナンサー編集部
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