浅田美代子さん 大人の女性が上機嫌に過ごすには「悩むより、笑え」です。
OTONA SALONE / 2020年6月5日 11時15分
いつも明るい笑顔が印象的な女優の浅田美代子さん。女優業のかたわら、動物愛護の活動に積極的に関わるなど、信念をもったアクティブな一面も。行動派の浅田さんに、今、大人の女性が上機嫌に過ごすには何が必要なのか伺った。
たとえ年を重ねても、人生、
その時々で必ず楽しみはあるんです
柔らかな感受性を維持しながら、溌剌とポジティブに生きていくには、何か秘訣があるのだろうか。
「年をとったら楽しいことが減るなんて、そんなことないって!(笑)その時々に楽しみは必ずあるんです。ないと思うのは、あきらめてしまうから。『シミができた』と言って嘆くのじゃなくて、『やっぱり若い頃に肌を焼きすぎたもんね~』とカラッと笑ってみる。あがいてもどうにもならないことにこだわるより、あきらめずに、何か他に趣味や打ち込めるものをもって楽しんだほうがいいと私は思います」
浅田さん自身は、40代後半から私生活で動物愛護の活動に関わり始めた。この世界との出合いも大きかったと振り返る。
「やはり芸能界以外の世界の人と知り合えたのは、私にとって大きな意味がありましたね。違う世界の人なんだけど、目的が同じだから仲よくなれるし。各地の小学校を訪ねて、命の大切さを教える『命の教室』という催しをやるんですが、予算がないから新幹線も自由席で行くんです。5~6人で椅子を向かい合わせにしてお弁当を食べながら行く。そういうのって私にはとても新鮮だったから、ワクワクして楽しかったですね」
「そんなふうになるなら仕事を辞めなさい」
第一線で活躍する女優さんでありながら、自分の興味の赴くところをどんどん開拓して、人とのつながりを広げていく。未知の世界に積極的に飛び出していく勇気も、大人の上機嫌を養うには大事なことだ。
こうして浅田さんが飾らずに外に出たり、打ち込めるものをもてたりするようになった背景には、「先輩」たちからの影響も少なくなかった。
その一人が2001年に他界した母の順子さんだ。
「母はとても明るくて、70歳近くなっても、私の友達も交えて夜中の2時頃までカラオケで歌って楽しんでくれるような人だったんです。でもその半面厳しいところは厳しくて、私が芸能人だからといって、母から見て少しでも偉そうな態度をとったり、自分は特別と思っているようなそぶりが見えたりしたときには『今すぐその仕事辞めなさい!』と叱られたものです。『そんなふうになるんだったら仕事を辞めなさい』と。そして二言目には『普通でいるのが一番なんだから』と言うんです。でも今にして思えば、大事なことを言ってくれていたと感謝しています」
普通じゃなきゃいろんな役はできない
さらにもう一人、大きな影響を受けた人として忘れてはならないのが、先輩女優の樹木希林さんである。
「希林さんは、お芝居をこうしなさい、ああしなさいとは決して言わない人でしたけれども、やはり『普通でいることが大事だよ』と常に言ってくれていました。『普通じゃなきゃ、いろんな役はできないんだよ』と。
電車に乗ったり、バスに乗ったり、一人で運転もして、ワイドショーもちゃんと見て(笑)、世の中のこともきちんと把握する。
母や希林さんの言う「普通でいることが大事」とは、役者としてさまざまな役を演じるためということもあるが、同時に、平凡な日常を誠実に生きることでしか得られない喜びがあるよ、それに気づきなさいということだったのかもしれない。
「今だったら、たとえばお裁縫が得意な人だったら手作りマスクを作って誰かにあげるとか、そういうことでも絶対楽しみが増えますよね。あきらめずに探せば、機嫌よく楽しく過ごせる材料は必ずあるはず。
私はクヨクヨしている時間がもったいないと思うんです。自分一人の小さな頭の中で解決できることなんて少ないんだから、それなら楽しいことを考えましょうよって。そして無理やりにでもいいので、毎日1回は口角を上げて頬骨を上げて笑ってみる。そうしているうちに心もついてきて楽しくなってきますから。大人になった今だからこそ、クヨクヨするより笑おう、ですね」
気になるインタビューの全編は発売中の『ゆうゆう』2020年7月号に掲載されております。是非チェックしてみて下さい!
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浅田さんが出演する最新作は・・・
映画『朝が来る』近日公開
子どもをもつことをあきらめた栗原清和と佐都子夫婦は、テレビのドキュメンタリー番組で「特別養子縁組」制度を知り、男の子を迎え入れる。朝斗(あさと)と名づけた子が6歳に成長したある日、平穏に暮らす一家のもとに、1本の電話が──。辻村深月の同名小説を河瀨直美監督が映画化、現代社会の抱える切実な問題を鋭くかつ繊細に描く。
【プロフィール】
あさだ・みよこ●1956年東京都生まれ。73年ドラマ「時間ですよ」でデビュー。劇中歌「赤い風船」が大ヒットし一躍トップアイドルに。その後は女優として活躍。主な出演作に「寺内貫太郎一家」「さくら」「花子とアン」「釣りバカ日誌シリーズ」など。樹木希林企画の映画『エリカ38』(2019年)では主役を務めた。
撮影/橋本 哲 ヘア&メイク/新井克英(e.a.t…) 取材・文/北 菜穂子
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