平安時代も一緒! 男ウケの良さは「コミュ力」と「もう1つの能力」が必須! 何が得意だとにイケメン達にモテた?【大河ドラマ『光る君へ』#17】
OTONA SALONE / 2024年4月29日 14時30分
*TOP画像/ききょう・清少納言(ファーストサマーウイカ)藤原斉信(金田哲)大河ドラマ「光る君へ」17回(4月28日放送)より(C)NHK
紫式部を中心に平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第17話が4月28日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
いつの時代もコミュ力高い、聡明女子は人気! 清少納言はイケメン男子との交流を楽しむ
清少納言は聡明で、文才に恵まれていただけでなく、コミュニケーション力にも長けていたと伝わっています。
機知に富んだやりとりができ、会話が弾む女性はいつの時代においても異性の関心を惹くものです。清少納言は女房からイケメンで麗しいと好評の藤原斉信(※1)と親しい関係にあったそう。彼は容姿の美しさだけでなく、和歌や漢詩、管絃にも長けており、当代随一の文化人として有名でした。
清少納言と斉信の関係は彼女の根も葉もないうわさによってぎくしゃくした時期もありました。しかし、斉信は清少納言がいないと寂しいと思ったのでしょうか。ある日、彼は清少納言に文(手紙)を送ります。清少納言が思わず膝を打つような機転の利いた返事を出したことで、二人の関係は修復されたというエピソードが残っています。
清少納言は「漢詩」の才能を活かして定子サロンで中心的存在に
平安時代、漢詩は男性の領域であり、女性が学ぶものではないと考えられていました。紫式部は父の影響で漢詩に長けていましたが、漢字の一も読めないフリをしていたんだとか…。一方、清少納言は得意な漢詩をうまく活かして、貴族の男性たちとうちとけていきます。
(ここが「ヨウキャ」といわれる清少納言と「インキャ」といわれる紫式部の違いなのかも)
当時の男性にとって和歌は教養の1つですが、みんながみんな和歌を得意とするわけではありません。和歌が苦手な男性貴族にとって、漢詩に詳しい清少納言は魅力的にうつったのでしょう。
清少納言と斉信が属していた定子サロンにはカジュアルで、明るい雰囲気があったため、参加メンバーはこの会で過ごす時を楽しんでいました。
華やかなサロンで中心的な立ち位置を獲得し、美男子とも親しくなれれば、屋敷の奥でひっそり暮らすような姫たちにも宮中に出仕し、世の中を見た上で、結婚してはどうかと言いたくなりますよね(※2)。
余談ですが、清少納言は離婚した夫・橘則光とも親しくしていました。二人は職場が同じだったこともあり、別れてからは兄弟のような関係性にありました。
現代でもモテモテ男子とも友達になれて、夫婦・恋人関係を解消した相手とも良好な関係を継続できる女性はいますが、清少納言もこのようなタイプだったのかもしれませんね。
※1 この当時、藤原斉信は蔵人のまとめ役・頭の中将を務めていた。和歌や漢文に詳しい文人で、清少納言を高く評価していた。
※2 清少納言は『枕草子』において将来にたいした望みをもつこともなく、結婚のことばかり考えている姫たちを批判した。その上で、それ相応の家柄の娘であっても宮中に出仕し、世の中を見てみることをすすめている。
斉信はききょうに言い寄るも…。ききょうの個性は男女関係においても炸裂か
本放送では、斉信(金田哲)がききょう(ファーストサマーウイカ)に言い寄るシーンがありました。
「なぜ返歌をくれぬのだと」
「あら そうでしたかしら?」
「とぼげるな。俺を こけにするとは けしからん」
「深い仲になったからといって自分の女みたいに言わないで」
「男が出来たのか?」
「そういうことネチネチ聞く あなたは本当に嫌」
『光る君へ』17話
ききょうは家柄が特別よいわけでもなく、女房勤めの身、一方で斉信は道長(柄本佑)とも対等な付き合いが許される上流貴族。身分の違いがあっても自分の気持ちをはっきりと口にし、うまく交わすききょうはおみごとといったところ。
男友達と軽くもめ、彼氏の話になぜかなったときの女性の心中をききょうの台詞「そういうことネチネチ聞く あなたは本当に嫌」は代弁しているようにも受け取れます。現代でも男友達と少し口論になると、そこから彼氏の有無に話題が飛んでしまうことってあるあるですよね。
「う~ん。ちょっと疎ましい」と思いつつも「ネチネチ聞くあなた鬱陶しいわ!」とはなかなか言えないもの。貴族の男性にも媚びず、自分の思いを偽りなく伝える姿に、多くの女性たちが「すごい!さすが、ききょうさま」と思ったはずです。
また、ききょうはまひろに夫や息子という概念にとらわれず生きたいと、自分の気持ちを第14回で話していました。自分らしい生き方を当時の社会規範を超えて見つけようとする彼女ですが、男性から自分の女のように扱われることについても快く思わないのでしょう。
前述のように史実においても、清少納言と斉信は恋人関係にはなかったものの、親しい関係にありました。清少納言は斉信から好意を抱かれているからといって浮かれたり、仕事を怠ったりすることはなかったよう。斉信から夜に会わないかと誘われたときも女房の仕事を優先しています。翌朝、斉信は清少納言のもとを訪れたそうですよ。
つづき>>>『平安時代の人々も「精神病」になっていた。 とくに女性は、がんじがらめで自由なし。「そりゃストレスたまるわ」』
参考文献
・木村朗子『紫式部と男たち』文春新書 2023年
≪アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗さんの他の記事をチェック!≫
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