「オナニーはできるけど、セックスでは勃たないんです」意外と多い悩みだった!30代男性、深刻な告白
OTONA SALONE / 2024年8月10日 21時0分
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。
つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。
これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。
【無子社会を考える#15】前編
オナニーだけは出来るという男性の告白
「オナニーは出来ます。でもセックスでは勃ちにくいんです。これは20代の若い頃から変わらないですね」
このように率直に語ってくれたのはヒロユキさん(35歳/銀行員)です。ヒロユキさんは大手の銀行に勤めており、年収も高く結婚願望もある独身男性です。現在は付き合っている人はいません。その理由のひとつに「勃ちにくい」という悩みがあるようです。
女性にとっては実感がないかもしれませんが、実は同じような悩みを抱える男性が意外と多い印象を持ちます。
そこでヒロユキさんに、日頃の性処理を方法などを尋ねてみました。なぜならオナニーの仕方によって、EDや射精障害の原因となることがあるからです。
例えば、快感を求めて強く握るオナニーを続けていると男性器の感覚が低下してしまい、性行為の最中に中折れしてしまう原因につながることがあります。
「確かに強く握っている時もあるので、オナニーのやり方が原因の可能性もゼロではないです。これはあくまでも想像なのですが、同世代と話していると、私は元々、男性器が弱い方だと思うんです。なぜなら性欲が強い人は刺激だけでイケると思うんですが、私の場合、身体ではなくて脳が興奮しないとダメなタイプなんです」
ヒロユキさんの話は、個人的な性問題にとどまらず、多くの男性が抱える深刻な課題を浮き彫りにしています。実は男性のオナニーの方法も個々で大きく異なります。
例えば椅子やソファに座る、ベッドで横になる、正座をする、手を使わないで刺激するなど千差万別。しかし、男性同士でこうした会話をするケースはほとんどないため、仮にEDが原因であっても本人が気づかない場合が非常に多いことが推測されます。
精神的なプレッシャーが大きく影響する
EDは単なる肉体的な問題だけでなく、精神的な要因も大きく影響します。セックスに対する過剰な期待やプレッシャーが、男性器のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあるからです。ヒロユキさんも「セックスに対する不安やプレッシャーがあると、ますます勃ちにくくなる」と言います。
そんなヒロユキさんには、かつて真剣に交際していた恋人との間で起きた苦いエピソードがあるようです。
「彼女とはとても良い関係を築いていましたが、ある晩、セックスを試みた際にどうしても勃たなかったんです。彼女は最初、優しく励ましてくれましたが、何度も勃たないことが続くうちに次第に苛立ちが見え始めました。彼女は私を責めることはしなかったものの、それがきっかけで少しずつ距離を感じるようになりました」
ヒロユキさんは、その出来事が自分の自信を大きく揺るがせるきっかけになったと言います。彼女との関係が冷え込む中、何度も自問自答したそうです。
「自分は本当に彼女を満足させることができるのだろうか。このままでは二人の未来はどうなるのか。当時は神経質なほど深刻に悩んでしまったんです」
こうして彼女と別れることになり、その経験はヒロユキさんにとって大きなトラウマとなったのです。
「別れた後も、その夜のことが頭から離れませんでした。自分を責める気持ちや、再び同じ状況になるのではないかという恐怖が常に心にあります。新しい関係を築こうとするたびに、過去の失敗が頭をよぎり、自信を失ってしまうのです」
ヒロユキさんは、その後もオナニーをする生活を続けましたが、それが問題を解決するどころか、さらに深刻な状況に追い込む結果となっているようです。彼の苦しみは、まさに現代の多くの男性が直面している問題を象徴しているのかもしれません。
「オナニーは確かに手軽で、自分自身のペースで楽しめます。でも、それがセックスに対するプレッシャーや不安を解消する手段にはならないことを痛感しました。結局のところ、セックスはパートナーとの信頼関係やコミュニケーションが不可欠なことは頭で分かっているんです。でもやっぱり怖いですね」
オナニーとセックスの違い
ヒロユキさんの気持ちを聞いていくなかで、オナニーはリラックスした環境で、自分の好きなタイミングで行えるため、心理的な負担が少なく勃ちやすい環境であることが分かります。一方、セックスはパートナーと共に行う行為であり、ときに相手の期待やプレッシャーを感じることがあります。この違いが、オナニーでは問題ないのに、セックスでは勃たない原因の一つとなるのです。
「その後に何人かお付き合いした彼女がいたんですが、やっぱり勃ちにくいんですよね。ごくたまに、しっかり勃つこともあるんですが、再現性はほとんどないです。その結果、僕の自信喪失したメンタルが原因でお互いの関係がギクシャクしてしまうんです。もっとあっけらかんと話せたらいいのですが、どうしてもカッコつけてしまう自分がいます」
ヒロユキさんは恋愛において何度も同じパターンを繰り返してきたといいます。こうして常に過去の失敗の影がつきまとい、新しい関係においても自信を持つことができないようです。これが孤独感を深め、ますますオナニーに依存する結果となっているようです。
「オナニーは一人で完結するので、安心してできるんです。でも、その安心感が逆に悪循環を生んでいるのかもしれません。セックスの際に感じるプレッシャーを回避するために、ますますオナニーに逃げるようになってしまうんです」
本記事では、ヒロユキさんがセックスをうまくできなくなってしまったのかのきっかけと、その後の性ライフや心のうちを聞かせていただきました。つづきの【後編】では、緊張やプレシャーが勃起に与えている影響やヒロユキさんが試みていることについてお届けします。
▶この記事の【後編】を読む▶ 『「セックスで相手を満足させられないかも」薬に頼っても、根本的な解決にはならなかった。ED男性の苦悩』 __▶▶▶▶▶
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