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純な片思いが「不倫」に堕ちて…。歪んだ愛で交わる彼と私は【エリート銀行員たちの不倫事情】前編

OTONA SALONE / 2024年8月17日 18時30分

叶わないと思っていた恋の相手と実は両思いだったことが、あとから分かった…そんな苦い経験をしたことはありますか?

今回は不倫相手から歪んだ愛を向けられていたミサさん(仮名・40歳)の、衝撃のエピソードをご紹介します。

 

メガバンクの丸の内本部で働くミサさんは、都内のマンションに夫と娘と息子の4人で暮らしています。仕事に理解のある上司や同僚に支えられて、華々しくないまでも、まずまずのキャリアを歩んでいました。娘が塾で成績が上がらないことや、息子がサッカーのクラブチームで二軍に落ちてしまったなど悩みはありますが、つつがなく毎日を送っていました。

 

しかしそんな日常は、ある男性との再会でぶち壊されることになりました。

 

▶平凡な毎日を狂わせた出会いとは

平凡な毎日を狂わせた出会いとは

所用で普段と違うフロアを歩いていたところ、カナデさん(仮名・48歳)から声をかけられたのです。

「カナデさんと出会ったのは、私がまだ新入行員の頃でした。メガバンクの営業店って、規模が大きい店はギスギスしがちなんですが、彼は大学で数学を専攻していたバリバリの理系だからか、周囲の雰囲気にのまれずに淡々と仕事をこなすタイプでした」

 

論理的で感情に流されないけれど、どこか温かみのある彼は、新人からもよく慕われていました。ミサさんも何度か飲みに連れて行ったもらったことがありました。

「私が先に異動して、それから十数年会っていませんでした。銀行員って同じ部署にいる時は親しくなるんですが、異動したら二度と会わないこともよくあるんです」

 

久しぶりの再会に、話が弾みます。当時から出世が噂されていたカナデさんですが、やはり本部の花形部署の次長をつとめていました。順調にいけば役員で、その風格は既に漂っていました。

「最近、銀行でもやっとオフィスカジュアルが浸透してきたんです。彼はきちんとセットされたグレーの髪に、黒いタートルネック、上品なチノパン…と、年齢をうまく味方につけていて、とても格好良かったです」

 

『よかったら、メシでも食わない?』と誘われましたが、ミサさんは迷いました。明日は息子のサッカーの試合でお弁当を作らなくてはいけないし、娘の塾の宿題も見なくてはいけないからです。そのことを考えて断ろうとした時、夫から先日かけられた言葉が蘇りました。『ミサは過保護だよ。もっと子供のこと信じても良いんじゃない?』と呆れた声で言われたのです。

 

「でも夫は『飲み会には全力投球だ!』とかバカなことを言って朝まで飲んで、週末はゴルフ。どうして私ばかり家のことをして我慢しているんだろう?という思いが湧き上がってきて、ついカナデさんの誘いを受けてしまいました」
この選択により、人生を大きく狂わせることになると知らずに。

 

▶二人でデート、迎える急展開

二人でデート、迎える急展開

カナデさんと待ち合わせた店は、恵比寿と代官山の中間にある和食屋でした。広い陽気な雰囲気の店のカウンター席でビールを飲んでいる彼を見て、ミサさんは安心しました。肩肘をはらずに済みそうだったからです。彼の隣に座ると『急に誘ったから、気取った店じゃない方が良いと思って。本当はもっと良い店に連れて行きたかったんだけど……』と言われました。

「こういうさりげない気遣いが、昔からできる人でした。この人のこういうところが好きだったな、と思い出しました」

 

かつて彼女は彼に淡い恋心を抱いていました。しかし自分よりも8つ年上の既婚のエリートに、彼女は打つ手がありませんでした。

「彼は昔からとてもモテたんです。何人かの女性との噂も聞いたことがありました。Excelで今まで寝た女の人の点数表をつけている、と聞いたことも。私も遊ばれるだろうな、と思って必要以上には近づかないようにしていたんです」

 

自分も既婚者になったことから、やっと関係性が対等になれた。そう思って誘いを受けたのでした。美味しい魚料理に舌鼓を打っていると、彼が嬉しそうに目を細めてミサさんを見つめていることに気が付きました。

「どうしたんですか?」と聞くと『やっと一緒に来られたことが嬉しくて、つい』と返されます。「そんなことないでしょう。カナデさん、モテてたじゃないですか。早々に結婚して子供もいるし」とお酒が入っていたこともあり軽口を叩くと、彼はじっと目をみつめてきました。『俺がずっと好きだったのは、ミサさんだけだよ』と。

 

信じられないと彼女が首を振ると、彼は『証拠があるから、俺の家に行こう』と言います。「家族がいるんじゃないの?」と訪ねると『今は春休みで、妻の実家に帰っているから』と返されました。

「ここで着いて行くと、取り返しのつかないことになることは分かっていました。でも、彼の魅力に抗うことができませんでした」

店の外に出て、中目黒にあるカナデさんの家にタクシーで向かうことになりました。

 

そこで驚くべきものを見ることになるのです。

次のページへ▶▶かつての上司に、歪んだ愛を向けられて……十数年越しの片思いの末路」に続く

 

 

 

≪作家・ライター 綾部まとさんの他の記事をチェック!≫

 

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