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身体をいたわるため、初潮期の子どもも低用量ピルを「当たり前に利用する」時代です!私たちの頃との違いを医師が解説(後)

OTONA SALONE / 2024年8月15日 11時11分

明るいお人柄と、軽快な語りからあふれるポジティブなオーラに、「お話するだけで元気を分けていただける」とファンも多数の産婦人科医・小川真里子先生。このたび福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センターでの診察をスタートされました。
更年期のトラブルに精通する小川先生は、かねて「思春期外来」をご担当だったことも。そこで、40代50代女性が直面する「娘の世代の月経・初潮」について、最新知識を教えていただきました。

まだ子どもなのに、ホルモン剤や鎮痛剤を「大人のように」飲ませても大丈夫なのですか?

――前編では、昨今は鎮痛剤も痛み始める前に服用し、また低用量ピル(LEP)で月経をコントロールするのもごく普通と教えていただきました。しかし、小さいころからホルモン剤を投与すると、自分の卵巣でホルモンを作り出す力が弱まったりはしないのですか?
いいえ、ホルモンを産出する力は減りません。服用を停止すればまた卵巣がちゃんと働いて排卵するようになります。休止して1~2か月で戻り、妊娠可能になります。
加齢によって卵巣がだんだん老いていくことはもちろんあります。でも、排卵や月経などの「卵巣のがんばり」はあくまでも妊娠準備の努力であり、妊娠を考えていない場合は月経自体が体によいものではないのです。月経がきているということはエストロゲンが働いているということで、健康のサインとしては大事ですが、月経は子宮内膜がはがれて落ちるだけのこと。血液も失われるので体にい要素は何もありません。
――ホルモン剤を飲むと身長の伸びが止まったりすると聞きました。実際はどうなのでしょうか。
身長の伸びは、初潮がきた時点でおおむねストップします。女性ホルモンが働くことで子どもの骨の両端にある成長のための層「骨端線」が閉じるからです。ですので、ホルモン剤を飲むことで止まるというわけでもありません。
こうしたご不安はぜひクリニックの専門医によく相談して、解消してください。どういうクリニックなら親身に相談に乗ってくれるのかを判断するのが難しいとよく質問されますが、まずはクリニックのサイトをよく見て、若い子を診察しているか、月経困難症を診察対象にしているかを確認してください。女性ヘルスケア専門医であればなお確実です。月経痛での受診科は子どもであっても小児科ではなく、産婦人科でOKです。

産婦人科の受診時には「内診」がありますか? 子どもへのピルの処方は保険が適用されますか?

――産婦人科を受診するとなると、指を機器を膣内に入れる、いわゆる内診があるのでしょうか?
産婦人科はプローブや指を膣に入れる内診があるのではないかと心配かもしれません。私は思春期の患者さんの場合、どうしても必要な時以外は内診はしない方針ですが、すべての産婦人科医が同様の方針というわけではありません。予約時に「子どもが驚いてしまうから、内診が心配なのですが」というような聞き方で確認してもらうといいと思います。
――もし低用量ピルを処方していただく場合、費用はどのくらいなのでしょう? 保険が適用されない例もあると思いますが
日本でのピルは、避妊目的の場合は自費ですが、子宮内膜症や月経困難症が認められる場合は保険が適用されます。では月経困難症とは何かというと、本人が生理痛でしんどい思いをしていたらそれは月経困難症です。
こうした月経の困難さがまったくない人はそれほどおらず、また、診療してあなたは違うと言われることもまずありません。生理のつらさは薬でコントロールできるのだということを伝えて、ぜひ迷わず受診させてください。薬は月に800~3000円ほどです。
初潮を迎えて月経痛がある場合、いまはさまざまな治療方法がありますから、どうぞ我慢はせずにいちどお近くの産婦人科医にご相談ください。
お話/小川真里子先生

福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 医学部産科婦人科学講座 特任教授

1995年福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院での研修を経て、医学博士取得。2007年より東京歯科大学市川総合病院産婦人科勤務、2015年より同准教授。2022年より福島県立医科大学 特任教授。日本女性医学学会ヘルスケア専門医、指導医、幹事。日本女性心身医学会 認定医師・幹事長・評議員。日本心身医学会 心身医療専門医・代議員。2024年4月から福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授。東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで、毎週金曜午前に完全予約制の更年期・PMS外来も。https://avance-clinic.jp/

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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