1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「驚きでした、こんな大勢のクリエイターが活動しているとは」。注目の川崎・南武線エリア「武蔵新城」に新業態「シェアアトリエ」を作る建築集団の勝算

OTONA SALONE / 2024年9月11日 17時0分

お気づきでしょうか。コロナ禍以降、「個人の魅力的なクリエイティブ」の発信元として「南武線」というキーワードを耳にする機会がぐんと増えたことに。

 

たとえば2024年4月、JR東日本が南武線沿線のクラフトビール7店舗を巡るスタンプラリー「NAMBU LINE CRAFT BEER BINGO」を開催、知る人ぞ知るペールエールのブルワリー「ブリマー・ブルーイング」(南武線久地駅)が参加したことで話題をさらいました。サードウェーブコーヒーの先駆け「フグレン」が2019年に3店舗目の出店地として選んだのは南武線・小田急線の登戸です。

 

武蔵小杉、溝の口、登戸…もしや南武線沿線は「清澄白河の再来」なのではないか

シモノゲ共作所「ぬいもの屋個々」のKimono帯Bag

かつて「ブルックリン的な家賃効率・周辺人口・環境を併せ持つリバーサイドフロント」として清澄白河が注目されました。ブルーボトルコーヒー国内1号店、小山登美夫ギャラリーなどが思い出されます。類似のフロントがいま南武線エリアにあるのかもしれません。また、河岸段丘の畑作・果樹作エリアが歴史的に持つリベラルな空気が「他にはないもの」を惹きつけているのかもしれません。

 

「建築系の友人らからも『南武線にクリエイターが集まっている』という噂は聞いていましたが、実際に武蔵新城に来てみると、改めて『こんなにいろいろな人が活動しているのか!』と驚きました」

 

そう語るのは、フジケン株式会社で不動産企画開発のプロデューサーを務める佐藤丹音(あかね)さん。用地からビル建設までを手掛ける不動産ディベロッパーである同社が初の「手元で育てる投資物件」として9月28日にロンチするのが、武蔵新城のシェアアトリエ事業「千年共店」です。

 

「千年共店」の運営ディレクターを務める一級建築士の廣瀬悦子さん(Once upon a place株式会社/seets一級建築士事務所代表)は、すでに同じ武蔵新城駅の逆サイド、高津区下野毛でシェアアトリエ「シモノゲ共作所」を共同企画運営する実績者。2人がいま持つ「南武線エリア」の肌感覚を伺いました。

 

土地として買うはずだったが、行ってみたらあまりにも「エモい物件」が建っていた

「千年共店」外観

「千年共店」は「千年新町」という住所に立地します。地元の人は「ちとせしんまち」と呼びますが、表記上は「しんちょう」。千年という町がもともとあり、その新町というエリアです。

 

「建築家つながりで、廣瀬さんが武蔵新城で町工場だった建物を再活用し、シェアアトリエを共同運営しているのは知っていました。いちど見せていただいて、いい仕組みだな、こういう活用法もあるんだなと感心しました。そこへ、土地情報として、同じく武蔵新城の物件を買いませんかと声がかかり。見に行ってみたところ、小さいけれどしっかりした築30年ほどの鉄筋コンクリート造の上物がまだ残っていました」(佐藤さん)

 

こう振り返る佐藤さん。もったいない、これを壊すにもコストがかかるし、SDGs的な観点から見てもまだ使える建物なのにどうなのか。ただし、シェアハウスは社の事業としては運用が難しい、シェアオフィスが成立する立地でもない。「もしかして、これもシェアアトリエ適地なのかな?」と、廣瀬さんに相談を持ち掛けました。

 

「佐藤さんに誘われて、私も一緒に見学に行きました。確かに建物がしっかりしているうえ、とても面白いつくりです。建ち姿がよいと言いますか、もとは社員寮ですが、寮なのになんと建物の中に100平米の住宅が2戸しかない。敷地に対して建物が小さく、余白があるのも魅力です。通常ならば壊して更地にして、いっぱいまで建ててしまいますが、こんなに不思議な魂の宿った建物を壊して何の変哲もない戸建てにするのももったいない話だなと」(廣瀬さん)

 

佐藤さんが社に新規事業として提案、物件を取得し、正式に廣瀬さんに企画を依頼したのは、7月の内覧からわずか2か月後の23年9月でした。佐藤さんの会社は利回りを慎重に計算する不動産投資ディベロッパーですから、普通ならばこんな剰余変数しかないような物件を買うという選択肢があり得ないそう。

 

「この仕事を長く続けていると、このように出会うべくして出会う物件というものが登場するんです。みんなが吸い寄せられるようにして巻き込まれていく『力がある物件』です。今回は、同じ武蔵新城駅での廣瀬さんのご実績と、新しい不動産の価値創造という社の観点がマッチし、社内で賛同を得ることができました。やはりこの物件の不思議な魅力、力がに導かれたのかもしれません。社として初のトライですので迷いもありましたが、これもご縁なので、信じて挑戦してみようと決心しました」(佐藤さん)

 

つづき>>>「音・ニオイが出て家族が怒る趣味」が「ナラティブな背景あるものづくり」へ。シェアアトリエ事業が捉えたクリエイティブの未来

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください