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3高イケメンと結婚したのに地獄 「不倫に逃げるしかなかった」恐怖の新婚生活

OTONA SALONE / 2024年8月29日 20時1分

2024年に発表されたジェクスによる調査では「現在、パートナー(恋人や結婚相手)以外の人とセックスをしていますか。」という問いに対して、「特定の人物1人としている」「特定の人物2人以上としている」の合計値は、40代男性が27.7%、50代男性が29.5%、40代女性が24.5%、50代女性が17.1%でした。

 

浮気は「遊び」と思われがちですが、時には深刻な状況の中の「逃避行動」だったケースも。前編では、40歳の綾子さん(仮名)は高身長高収入高学歴の夫と結婚するも、恐ろしい「夫の裏の顔」が垣間見えギリギリの精神状態に追い詰められるまでの話しをご紹介しました。

この記事の前編はこちら▶▶『3高イケメンと結婚したのに地獄 「不倫に逃げるしかなかった」恐怖の新婚生活(前編)』__▶▶▶▶▶

 

【昼顔妻と夕顔夫 不倫に走る大人たち ♯1】後編

「不倫に逃げるしかなかった」嘘地獄

それから1年ほどして、翼さんの「金欠問題」が浮上します。

 

「家族カードとして作った生活費用のクレジットカードが、いきなり使えなくなりました。慌てて夫に電話すると『手違いかなぁ。現金で建て替えておいて』とシドロモドロ。2ヵ月ほど生活費を建て替えた後で、『カード会社に電話する』と言ったら、実は3ヵ月も前に会社をクビになっていたことを白状したんです」

 

翼さんの同僚に確認したところ、大口のクライアントだった会社の担当女性に「独身だ」と嘘をついて、関係を持っていたことも発覚したそう。

 

「彼は、『権力闘争で負けてはめられた』『ハニートラップだ』とかドラマのような言い訳をしていました。さすがに『そんなわけないだろう』と頭のどこかで分かっていましたが、もう、疑う気力も逃げる気力も残っていませんでした」

 

約1年ほど、「大学の仲間のベンチャー企業に誘われている」「外資証券のスカウトがあったけど海外赴任がだるい」などのらりくらり無職状態を続ける夫を、金銭的に支え続けたという綾子さん。貯金が減り、メンタルが削られる。

 

そんな時、綾子さんが頼ったのは、里代さんでも両親でもなく、元彼氏の学さんでした。

 

「今思うと、親に電話するべきでした。でも、『それ見たことか』と言われるのが怖すぎて、『結婚反対勢』には頼れませんでした。元カレの学は、あの頃の浮気相手と結婚していましたが、『友達としてなら話を聞くよ』と言ってくれたので、すぐに会うことに。居酒屋で泣きじゃくる私を慰めているうちに、『人目につくから』とホテルに入ってしまい、男女の関係になりました」

 

焼け木杭に火が付いた二人は、当初は勢いで「お互い離婚してやり直そうか」と口にしたこともあるそうです。

 

「そもそも学は優柔不断な性格で、同棲解消の原因になった後輩と、私もたぶん交際期間が半年は被っていたみたいです。どっちが本命かが入れ替わっただけで、また二人の間で揺れていました」

 

綾子さんいわく、「夫に虐げられたか弱い女性を守る自分」という立場に酔ってしまったという学さんは、「僕たち、どこでボタンをかけ間違ったんだろう」「僕がフラフラしたばっかりに、綾子を地獄に追い込んでしまったから責任を感じています」といったロマンチックなメールを立て続けに送ってきたそうです。

 

「たまたま奥さんが妊娠して実家に里帰りしていたので、余計に燃えたみたいで…。ただ、やり取りがSNSのDMだったので、例によって元夫が私のアカウントに勝手にログインして、すぐに浮気がバレました。元夫が『妻にバラすぞ』と恫喝すると、学は目が覚めたんでしょうね。急に弱腰になって『それだけはやめてください。妻は妊婦なんです』って…もうグダグダです。もちろん、私のパソコンにもSNSにもパスワードはかけていましたよ。でも、なんでか突破しちゃうんです。そういう人でした」

 

学さんは、もう綾子さんと会わないことを約束したらしく、綾子さんにも謝罪のメールを送ってきました。

 

「それでも、元彼の存在が追い風になったことは、感謝しています。『これはやばい』と思って、走り出すことができたので」

 

翼さんは泣きながら綾子さんを責めたり、共通の友人に「妻が元彼と浮気した」と相談しまくったり、自分を棚に上げて「サレ夫」アピールがすごかったそうです。

 

「共通の友達に影で『綾子さんがそんな人だとは思わなかった』と言われたり、ドン引きされたのは、本当にイタかったです。ただ、ここで夫に『あんただって浮気したのになんで言いふらしたの?』と食って掛かって泥仕合をしてもラチがあかないので、その場では謝りました。『あなたに浮気をされて悔しくてつい暴走しました。友達にも呆れられたので、もうしません。本当にごめんなさい』と頭を下げて、一旦は夫は落ち着きました。しばらく無視されていましたが、極力刺激せず、同じ家に住み続けました」

仕事も荷物も逃げ出して決死の逃避行

その裏で綿密に計画を練った綾子さんは、夫が外出する日に休みを取り、仕事も荷物も投げ出して貴重品だけを手に、福岡に緊急帰省。

 

すべて母親に打ち明けます。興奮状態が落ち着いた翌日、職場に体調不良でしばらく休むと電話して、結局そのまま退職しました。

 

「今になって、あの状態なら適応障害の診断は出たと思うので、休職すればよかったと思います。正社員だったのにもったいないって。でも、そんな判断ができないくらい、緊急事態だったんだと思います」

 

翼さんは、最初は離婚を拒絶していましたが、綾子さんの父親が「車は譲るし、ローンを払う」と持ちかけると軟化。

 

「私が浮気をしたとはいえ、その前に彼がしたことを思うと、そこまでするべきではなかったのかもしれません。ただ父は経営者としていろいろな人を見ているので、『あの男は粘着質だ。金を払っても縁を切るべきだ』と判断したみたいで…」

 

結果的に、父親の判断が功を奏して、翼さんがごねることはなかったそう。

 

「立て替えた家賃や生活費は返す必要はない。置いてきたものは処分代がかかるだろうから必要書類以外は譲る。置いてきた車も譲って、こっちがローンを払う」という条件を弁護士が提示した後で、翼さんは離婚届に押印しました。

 

離婚後に、綾子さんは母親に、

「なんで浮気なんてしたの! 普通に逃げてくれば強く出られたのに」

と、至極まっとうな叱責をされたそうです。

 

「返す言葉もない状態ですが、あの時は多分私は鬱でした。不倫をするとドーパミンやアドレナリンが出るっていうじゃないですか。そういうものの力を借りて、エイッてジャンプしないと、プライドに足をとられて穴から抜け出せない精神状態だったんだと思います」

 

40歳になった綾子さんは、福岡で自動車メーカーの正社員として工場で働く男性と再婚し、一女を授かって平穏に暮らしています。土産物店のパートをしながら、「ハワイで3週間の休暇を満喫した正社員時代」を懐かしく思うこともあるそうです。

 

「あの時どうするのが正解だったのか、その段階で間違えたのか、今でも考えることがあります。里代や学の奥さんには謝罪したいですし、正論はいくつもいくつも思いつきますけど。『じゃあ、あの時の自分にそれができたか』と考えると、いつもそこで思考停止してしまうんです」

 

 

注記: 本作品は、実際の取材に基づいたセミフィクションです。 個人情報保護の観点から、一部内容に脚色や変更を加えています。

 

 

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