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まさかの「減らしたほうがいい」意外な食べ物とは?塩もお酒も「よくない」のはわかっているけれど

OTONA SALONE / 2024年9月3日 11時51分

「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。ですが同時に、「100歳まで健康に生きられる気がしない」「不自由な体で生きてしまうということは恐怖でしかない」という声も多数聞こえます。

 

100歳まで生きると仮定した場合、更年期を迎えている私たち、50歳前後はちょうど折り返しに当たります。

 

「50代の課題は男性と女性で少し違います。女性は長生き以前に更年期問題を解決する必要があります。しかし、この段階から自分の体と生活を作り替えていく意識を持つと、このあと10年、20年の老化の速度に大きな差がつきます。根本的な生活改善を行う重要な年齢、それが50代なのです」

 

こう語るのは、順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授の堀江重郎先生。私たちがいまとるべき10の行動をお話しいただきます。

 

前編記事『「いま食べるべきもの、すぐやめるべき行動」抗加齢の専門家が指摘する「100歳まで生きる時代」にすべき10のこと』に続く後編です。

 

⑤筋肉を「ほんのちょっとずつでも」使う

運動をしましょうと言うと、ランニングを始めたり、ジムに入会したり、何か「大きなこと」をせねばならぬ印象ですが、そうではありません。階段を歩いて上るなど、筋肉を「少しだけ多く使う」ことを心がけてほしいのです。

 

電車の中でも座らず、敢えて立って、しかもかかとを上げて筋肉を使う。在宅勤務中ならばトイレに立つたびにスクワットを5回してみる。駅までの道を大股で早歩きする。こうして、運動量を5%増やすことを心がけてほしいのです。こうした積み重ねが何より大事です。

 

先進国ではいずれも、女性の筋肉不足が最大の課題です。日本人の場合は35~45歳の女性がとりわけ体力が低く、いまから40年後、80代以降に筋力低下で介護が必要となる「フレイル」の状態に陥ることが危惧されています。車いす生活になってしまうんです。

 

いますでに自分には筋肉がないと自覚している人、たとえば二の腕の下にたるんだ振袖肉がついているという人は、今から少しずつ努力をしておく必要があります。なお、「プロテインを摂っているから大丈夫」という人もいるかもしれませんが、プロテインは摂取時に筋肉に負荷をかけないと意味がありません。むしろ腸内細菌層に悪影響を及ぼすケースもあるため、そういった近道をしようとせず、まずは筋肉を使うことから意識してください。

 

⑥スマホ利用は21時までに。眠る環境はこだわりを持って追及を

スマホ画面を見ると交感神経が緊張するため、睡眠の質が下がります。結果的に体がさびてしまうのです。23時には眠りに就きたいものですが、よい眠りを手に入れたいと思ったら、スマホの利用は21時までにしましょう。

 

また、ベッドの寝心地は大事にしてください。マットレスと枕にはお金と手間をかける価値があります。自分にとってよい眠りがある枕、マットレス、パジャマなどを探してください。眠りが浅いならば遮光カーテンを検討してもいいでしょう。マットレス・トッパーを追加して好みの硬さを追求するのもおすすめです。

 

眠る環境と寝具は圧倒的に重要です。なぜなら「睡眠の質」はダイレクトに寿命に関連してくるからです。

 

⑦腸内細菌を大事にする

腸活はすでに「していることが基本」です。ビフィズス菌、乳酸菌など有用菌の摂取だけでなく、菌の餌になるオリゴ糖、イヌリンなど食物繊維を摂取します。サプリを摂るのもいいでしょう。

 

腸を健康に保つこと体の健康の基本であると同時に、がんの予防にもなります。よいと言われることはひととおりやったほうがよいでしょう。発酵食品、食物繊維、ポリフェノール、カカオ、果物などは1日何かしらを摂りましょう。私は併せて、乳酸菌の菌体と、菌の餌になるオリゴ糖も摂っています。

 

腸活というと朝食のイメージがあるかもしれませんが、実施は朝夜どちらでもいいのです。私の場合、お腹が空いていない日は朝食を摂らないので、腸活は夜に意識しています。

 

⑧小麦、特に「モチモチの食品」をだんだん減らす

パン好きの人が増えている昨今ですが、外がカリカリなのに中がしっとりもっちりのパンは小麦に含まれるグルテンの量が多いと言えます。グルテンは腸の粘膜を荒らすことが多く、これが大腸がんの原因になるケースもあります。

 

ですのでパン好きの人は大腸がんになりやすい傾向があり、ヨーロッパではすでにパスタを食べずお米を食べるシフトが始まりました。こういう意味ではお米は優れた食品であり、グルテンは腸で炎症を起こすため負担になることは確かです。肉親に大腸がんを経験した人がいる場合は特に意識したほうがよいでしょう。

 

余談ながら、糖分の入ったお茶を飲まないことも同時に心がけたいことです。コーヒーや紅茶に糖分を入れない。缶コーヒー、清涼飲料水は飲まないことです。意外かもしれませんが、カフェインは問題ありません。

 

⑨機会を見て遺伝子検査を受けてみて

まだまだ玉石混交ではあるけれど、遺伝子検査の内容がよくなってきています。健康リスクを解析できるタイプの検査はいちど受けてみるといいでしょう。自分の遺伝子の傾向がわかるので、リスクを持つ分野に対して個別の注意を払うことができるようになります。

 

ただし、これを行えば完璧というわけではなく、自分がどのようなリスクを持つのか把握して危機を回避するという意味合いです。そのリスクに応じて個別の対策を立て、それをコツコツ守っていくことが、100歳まで健康に生きる第一歩なのです。

 

⑩口腔の健康維持も重要です。歯には「MA-T」を利用して

大阪大学歯学部の阪井教授が研究成果を発表しているMA-T、「Matching Transformation System」は日本の産学が連携して生まれた「国産技術」で、物質の酸化を制御する革新的なシステムです。二酸化塩素の分解産物である亜塩素酸イオンから「水性ラジカル」を生成し、ウイルスの不活化や細菌の除菌を行う、除菌消臭作用を持つ成分です。

口腔ケアが全身の健康に影響を及ぼすことはよく知られるようになりました。しかし、汚れを落とそうとして研磨剤の入った歯みがき粉を使うと、歯のエナメル質を削ってしまう場結果に。また、歯みがき粉に含まれるメントールのすっきり感で満足してしまい、みがき方そのものが甘くなることもあるでしょう。歯みがきの目的は汚れを落とし除菌することですので、確実に除菌ができる口腔ケア剤を選んで使ってください。

 

 

■お話/堀江重郎先生

順天堂大学医学部・大学院医学研究科 主任教授。日米で医師免許を取得し、42歳最年少で帝京大学教授に就任。2012年より現職。男性ホルモンの低下に起因する様々な疾患の診断と治療を行う日本初の男性外来「メンズヘルス外来」を立ち上げるなど、日本の泌尿器科医療をリードする第一人者。これまで泌尿器科学に加えて、救急医学、腎臓学、男性医学を学び、アンチエイジング医学にも詳しい。一般社団法人日本メンズヘルス医学会理事長 NPO法人日本抗加齢協会理事長。

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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