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「私を溺愛する彼」がDV夫に。10年にわたる壮絶な日々の終止符は、まさかの「心中未遂」。44歳バツイチ女性がマッチングアプリを利用するまで【体験談】

OTONA SALONE / 2024年10月8日 20時0分

マッチングアプリでの出会いは、もはや当たり前。こども家庭庁が2024年7月、10代から30代を対象に行った調査では既婚者の4人に1人(25.1%)がマッチングアプリで配偶者に出会ったと回答しました※。

そうした風潮の今、離婚歴のある40代50代女性もマッチングアプリを利用しています。本シリーズでは彼女たちの離婚の経緯、なぜマッチングアプリを使っているのか、離婚経験者ならではのマッチングアプリの利用法を取材していきます。

今回は、DVを受けて男性恐怖症になった44歳のバツイチ女性が無料マッチングアプリを使うワケをお伝えします。

【マッチングアプリに集まる「バツあり女性」たち】#3

 

彼からの束縛を「愛されている証」だと思っていた

母子家庭で育ったCさんは幼いころから「幸せな家族」への憧れが強く、21歳で結婚。相手は、19歳で交際開始した、友だちに紹介された同い年の男性でした。

 

「付き合っているときは、私にすごく甘かった。彼は、日勤と夜勤がある工場で働いていました。給料は教えてくれなかったけど、ほしいものはなんでも買ってくれた。いつも『かわいい』とか『俺にはCしかいない』とチヤホヤもしてくれたので、お姫様みたいな気分でした」

 

その一方、Cさんにはひとつだけ気になることが……。彼の激しい束縛で日常生活が制限されることがあったのです。例えば、美容院へ行くとき彼は「男の美容師はダメ」と身勝手なお願いを毎回してきたそう。Cさんが「これから、ひとりで買い物へ行くよ」となにげなくメールしたときには、「スカート履いてないよね? 証拠として服装を写真で送って」と言われもしました。

 

「でも、当時の私は馬鹿で、愛されているから束縛されるんだと思っていました。こんなに私のことを愛してくれる人は彼しかいないとも思っていたんです」

 

DVのきっかけは、幼なじみの男性と話し込んだこと

彼から日常生活が制限されるほどヒドい束縛をされていたものの、それを「愛されている証」と思い、21歳で結婚に踏み切ったCさん。しかし、その先で受けたのはDVでした。DVが始まったのは、結婚から3ヶ月後のこと。きっかけは、彼と一緒に出かけたショッピングモールでCさんが幼なじみの男性と話し込んだことでした。

 

「8年ぶりくらいに会ったのでなつかしくて、10分ほど話し込んでしまったんです。話し終わったときから彼は『あいつとどんな関係なの?』と不機嫌でした。私は幼なじみであることや彼氏彼女の関係になったことはないと説明しましたが、家に帰った途端、下腹部を殴られました」

 

この日から、Cさんは日常的にDVを受けるように。高校卒業後から働いていたアパレル店を辞めるようにも言われました。「彼は『あの幼なじみにしてたみたいに、俺の知らないところで他の男に色目を使わないよう仕事を辞めろ』と言いました。逆らうと殴られるので、言うことを聞いて専業主婦になったんです」

 

自分が悪いから殴られる……当時、Cさんは暴力を受けるたびにそう思っていました。「彼を不安にさせてしまう私が悪いんだなって。彼が殴るのは、おなかやお尻など服で隠れるところばかり。殴ったあとは、いつも『ごめんね。でもそれだけCちゃんのことが好きなんだよ。わかって』と泣いていました」

 

その涙を見るたび、Cさんは「私こそ不安にさせてごめん」と泣きながら謝ったそう。「逃げる」という選択は頭に浮かびませんでした。

 

DV夫が起こした「心中未遂」事故、「逃げる」を考えるように

夫から日常的にDVを受けるも「自分が悪い」と思い、逃げるという選択肢すら頭に浮かばなかったCさん。暴力はどんどんエスカレートしていき、やがて彼が隣にいるときにしか携帯を触らせてもらえない、ひとりでの外出は絶対に禁止など、より束縛も激しくなっていきました。

 

「外の世界と繋がれなくなると、彼が自分のすべてになっていくんです。この人の言うことは絶対に守らないといけない、彼を泣かせるようなことや殴らせるようなことをしちゃいけないと思っていました」

 

苦しい日常から逃れられたのは、結婚から10年目のこと。ある夜、「そろそろ美容院へ行きたい」と伝えると、彼は「俺の見ていないところで浮気をするつもりだろ!」と激怒。Cさんを車に乗せ、「俺のこと嫌いになったんだろ⁉ だったら、俺は生きてても仕方ない。一緒に死のう」と言い、近くにあった電柱へ車を激突させました。

 

この事故でCさんは入院。久しぶりに彼以外の人と関わるようになりました。「この時期は頭が混乱していて自分がどんな状態だったのかはよく覚えていないのですが、彼は私より先に退院していました。私は1ヶ月ほど入院していたと思うのですが、看護師さんやお見舞いに来てくれた友人、母と話すなかで、本当に彼は自分のすべてなのかなと思うようになったんです」

 

入院がきっかけで、10年間続いた「暴力の日々」から抜け出せた

また、担当してくれた看護師さんがDV経験者であったことも未来を変えるきっかけに。服の下にある“暴力の跡”を見た看護師さんは「私も同じ経験をしたよ。逃げよう。これがチャンスだよ。親御さんに今までされてきたことを話して、このまま旦那さんのところへ帰らずに生きよう」と背中を押してくれたそう。

 

「あの言葉があったから、夫からされてきたDVを母に話すことができました。母は泣き、『そんなところへ帰らなくていい。私があなたを守る』と言ってくれました」

 

その後、Cさんの母はCさんの夫に離婚を要求。なかなか同意しなかったため、「離婚しなければ、暴行罪で訴える」と伝えました。すると、彼は「証拠がないだろ!」と反発しましが、本当に訴えられたらと怖くなったのか、話し合いから4ヶ月後、しぶしぶ離婚届にサインをしたのだそう。結婚から10年目のことでした。

 

「離婚後は何かされたらと怖かったので、母と一緒に県外へ引っ越しました。身元を調べられたら終わりでしたが、その後、彼から連絡はありませんでした」

 

こうして、10年間にもおよぶDVから逃げることができたCさん。ようやく幸せになれるかと思いきや、その後は後遺症に苦しめられることとなるのです。

 

▶▶後編は、「未来がないから楽しい」 DVを乗り越えた44歳バツイチ女性が、マッチングアプリで出会った23歳の彼に求めるものは

 

 

※出展元:子ども家庭庁

 

≪ライター 古川諭香さんの他の記事をチェック!≫

 

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