栄養で性格まで変わるってホント⁉「愛され女性」のための『最強の食事術』とは⁉
OTONA SALONE / 2018年9月11日 12時0分
こんにちは。医師の奥平智之です。第2回目で、『やせ体質』になる食事が『美容にも効く』とお伝えしました。一石二鳥ですから、もう実践されている方もいらっしゃると思います。
最終回の第3回目は、その食事が、見た目を美しくするだけでなく、なんと「ココロも美しくする」という事実についてお話ししたいと思います。
一石三鳥!「愛され女性」を作る『最強の食事』
1. お菓子・ジュースをやめる(パン・麺などを含め、小麦を控える)
2. おかずをしっかり食べる(たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、体が必要とする栄養素がしっかり摂れ、必然的に主食の糖質量が減り、低糖質な食事となる)
3. 肉・魚などの動物性たんぱく質を摂る(鉄やビタミンB群、亜鉛などの補給)
4. 食物繊維や発酵食品も摂る(腸内環境を整える)
5. ペットボトルに、にがりを数滴たらして持ち歩くなど(マグネシウム補給)
正しい食事をすると、ココロが変わります。イライラしたり、不安になったり、憂うつになったり、やる気がでなかったり。怒りっぽく、キレやすいのは、「性格」ではなく、「栄養不足」なのかもしれません。
今回は、上記の『最強の食事』が、ココロも美しくする理由について、「脳内ホルモン」「糖質過多」「ストレス」というキーワードを元にご説明します。
1 「脳内ホルモン」をスムーズに作って、優しく前向きな女性に!
脳内ホルモンって聞いたことがありますか? 私たちが、ワクワクしたり、ハッピーな気分になったりするには、脳内ホルモンがスムーズに作られる必要があるのです。ココロに作用する代表的な脳内ホルモンは5つあります。
(1) 安心ホルモン「セロトニン」: 満足感や幸福感を味わった時に増えるホルモン。不安や憂うつな気持ちを和らげてくれる。不足すると、人との関わりを無意識に避けるようになったり、悲観的な気持ちになったりする。セロトニンを材料に睡眠リズムに関わるメラトニンが作られる。
(2)ときめきホルモン「ドパミン」:わくわくする、やってよかった、など、報酬を得た時に出る快楽ホルモン。恋をしている時や、お酒を飲んでいる時、好奇心が旺盛な時、喜んでいる時、仕事でやりがいを感じている時などに出ているホルモン。
(3)やる気ホルモン「ノルアドレナリン」:交感神経を刺激して、覚醒や意欲を促すホルモン。不足すると、集中力や判断力、やる気が落ちてしまったり、寝すぎてしまったりすることも。ドパミンから作られる。
(4)リラックスホルモン「GABA(ギャバ)」:脳神経の活動を穏やかにして、イライラを和らげるホルモン。グルタミン酸から作られる。お酒そのものにも似た働きがある。ちなみに、GABAの入ったものを食べても、直接脳内に取り込まれる訳ではないので、GABAとしての直接的な作用は期待できない。
(5)学習ホルモン「グルタミン酸」:記憶や学習に関与するホルモン。過剰になると、神経が興奮し、神経過敏や物忘れの原因に。グルタミン酸をGABAに変える栄養素(ビタミンB6・ビタミンC・亜鉛・マグネシウム)がしっかりあると、過剰になりにくい。
これら5つの脳内ホルモンをスムーズに作るには、肉や魚、大豆製品などに豊富に含まれるたんぱく質や、ビタミンB群、鉄、亜鉛、マグネシウムが必須です。
2「糖質過多」が引き起こす血糖値ジェットコースターが不安やイライラの原因に⁉
スイーツやジュースなどの糖質を多く含むものは、食べると一時的にセロトニンが出るので、とても幸せな気分になります。ですが、血糖値を急激に上げるため、血糖値を下げるインスリンというホルモンが出すぎてしまい、急激に血糖値を下げ、低血糖になってしまいます。この血糖値ジェットコースターが、不安やイライラ、集中力の低下、不眠につながることがあります。
3栄養不足で「ストレス」に弱くなり、後ろ向きな性格に⁉
ストレスを感じると、副腎という臓器からからストレスに対抗するホルモン(コルチゾール)が分泌されます。ですが、長期間のストレスで、次第に副腎が疲れしまうと、コルチゾールが分泌されにくくなるため、ストレスに弱くなり、ココロも体も元気でなくなってしまいます。
副腎を元気にするには、良質なたんぱく質やオメガ3系の脂質に加えて、ビタミンCやビタミンB群、亜鉛、マグネシウムが大切です。しっかり睡眠をとる生活をしながら、特にレモンなどに含まれるビタミンCをこまめに補給すると良いでしょう。コルチゾールには、低血糖を防ぐ作用もあります。
きちんと分泌されなくなると、低血糖になりやすくなるため、精神状態も不安定になりやすくなります。また、コルチゾールは過剰な免疫や炎症を抑える働きもあるので、不足すると、疲れやすい体質、花粉症やアトピー性皮膚炎にもなりやすくなってしまいます。
『最強の食事』で「愛され女性」になる!
『最強の食事』の中心的な栄養素は、ビタミンやミネラルが豊富なたんぱく質。脳内ホルモンの材料で、血糖の乱高下を緩和し、副腎を元気にしてくれます。毎食、肉や魚、卵、納豆、豆腐などをしっかり食べましょう。
そして『最強の食事』は、最終的にはオーダーメイド。その人の体質や病気によってアレンジする必要があります。例えば、今話題の小腸内に細菌が異常増殖してしまう病気、SIBO(シーボ)。おなかの中で炭水化物が発酵してガスが増えて、おなかが張ったり、げっぷやおならが出たり、便秘や下痢がみられる病気です。このような方は、発酵の原因になるようなもの、例えば、納豆や玉ねぎ、マッシュルームなどは、避けた方がいいのです。
ココロを美しくする食事は、ダイエットにも美容にもつながり、「愛され女性」になること間違いなし! 実践しない理由はないですね! 三回の連載、いかがでしたか? 私達のココロや体は、食べて消化吸収されたものでできています。
食事や栄養の重要性が少しでもご理解いただけたのであれば、とても嬉しく思います。食べたものを消化吸収する腸管もとても大事です。機会があれば、次は腸管についてお話しできればと思っています。
では、『愛され女性のための最強の食事』、是非試してみてくださいね! お読みいただき、ありがとうございました!
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≪医療法人山口病院 精神科部長 医師 奥平智之さんの他の記事をチェック!≫
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