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ママ会、女子会に続く? 愛犬家が集う「犬会」に定められる驚きのルール

PHPオンライン衆知 / 2024年4月24日 11時50分

犬を通したコミュニケーション

近年、SNSの広がりなどによって活発化しているコミュニティ。特にママ会や女子会が一般的に知られていますが、犬を愛する人々によるコミュニティ「犬会」がいま注目されています。犬会の実態やルール、今後の可能性について愛玩動物飼養管理士の羽鳥友里恵さんが解説します。

 

最近巷で増えている「犬会」とは

近年、東京などの都市部を中心に、新たなコミュニティ形成の動きが盛んになっています。それが「犬会」です。ママ会や女子会が親しまれてきたのと同様に、犬会もまた、共通の興味を持つ人々が集まり、交流を深める場となっています。

犬会は、家族としてわんちゃんを愛する人々が集まり、情報交換をしたり、犬同士で遊ばせたり、SNS上のつながりを増やすなどさまざまな目的を持って、飼い主同士、犬同士が、異なる世代や背景を持つ人々が交流をする、新たな社会的プラットフォームとなっています。

この動きは、犬を飼う人々だけでなく、犬好きな人々にとっても、新たなコミュニティ参加の機会を提供しています。

実際に犬を飼いたいけど、初めて飼うのに不安がある方は、犬会に参加し、実際に様々な犬種および、性格のわんちゃんと触れ合うこと、飼い主さんのお話を聞くことで、不安の払拭や、一緒に快適に暮らす方法を学ぶ機会となります。

犬会を通して仲良くなった犬同士、飼い主さん同士は、後日一緒にペット同伴できるカフェに行ったり、旅行に行ったりと交流が増えることで、日々の新たな楽しみにも繋がっているのではないでしょうか。

 

犬種を限定...実際にあった「犬会」のルール

犬会には様々な形がありますが、いくつかの犬会ではユニークなルールが設けられています。例えば一部の犬会では、犬同士の交流を円滑にするために、参加犬種を限定した「チワワ会」「トイプードル会」などを開催しています。このように犬種で分けることで、小型犬と大型犬が一緒になり、トラブルになることを避けるといったメリットもあります。

また、犬の社交性や健康状態を考慮し、参加者にはワクチン接種証明書の提出を求める場合もあります。さらに、犬のマナーや飼い主のエチケットに関するワークショップを開催し、より質の高い交流を目指す犬会も登場しています。

中でも、インスタグラム上でフォロワーが多い犬のアカウントが中心となり、「○○ちゃんの誕生日会」というテーマでの犬会も開催され、実際には初めて会うわんちゃんのお誕生日をお祝いするために集まるといった現象も起こっています。

また、犬会は四季のイベントに合わせて開催されることが多く、バレンタイン、ホワイトデー、お花見、夏祭り、ハロウィン、クリスマスといったイベントを犬と一緒に楽しむ機会にもなっています。

 

増える「犬会」需要にお店はどう対応するべきか

犬会の増加は、特にペット関連のビジネスに新たなチャンスを提供しています。例えば、ペット可のカフェやレストランは、犬会専用のプランを提供することで、新しい顧客層を開拓できます。

また、犬用のプレイスペースやトレーニングスペースを提供する施設も犬会からの需要が見込めます。さらに、犬会のための特別メニューや、イベントの企画・運営サポートなど、犬会をトータルでサポートするサービスの提供も考えられます。

一方で、犬が都心の一ヶ所に10~30頭集まることで、"トラブル"も起こりやすくなることが予想されます。

例えば「犬同士の喧嘩で、怪我をしてしまった」「お店(会場)のものを汚したり、壊してしまった」「わんちゃんがお店から脱走してしまった」。インスタグラムのフォロワーが多いわんちゃんの場合は「熱狂的なファンの方が参加され、飼い主様のお写真なども無断で撮影されてしまった」などのケースが考えられます。

こういったトラブルを最低限に減らし、その場を利用するすべての方に快適に過ごしていただくために、犬会開催場所ができることをいくつかご紹介します。

 

1.安全な環境の確保

・エリアの分割:大型犬と小型犬のエリアを分けることで、怪我のリスクを減らすことができます。
・逃走防止対策:堅固なフェンスや門扉を設置し、犬が外に逃げ出すことがないようにします。
・清潔な環境:定期的な清掃と衛生管理を徹底し、犬たちが健康に過ごせる環境を保ちます。食べ物などを拾って食べてしまう可能性があるので、より注意が必要です。

 

2.飼い主向けのルールとガイドラインの設定

・ルールの明確化:入場規則、犬の行動規範、糞の処理方法など、会場内でのルールを明確にし、事前に参加者に伝えます。
・緊急時の対応プロトコル:トラブルや緊急事態が発生した際の対応手順を明確にしておき、必要な場合は速やかに飼い主のサポートをできる体制を整えておきます。

 

3.飼い主と犬のための快適な設備

・水分補給ステーション:清潔な水を常に提供し、わんちゃんがいつでも水分補給できるようにします。
・休憩スペース:犬と飼い主が休めるスペースを設け、わんちゃんが適宜休息できる環境を整えます。
排泄エリアの設置:犬が排泄を行える指定エリアを設け、定期的に清掃を行います。

 

4.コミュニケーションの促進

・スタッフの教育:お店スタッフに対し、犬の行動やニーズを理解するための研修を行い、参加者とわんちゃんに対して適切なサポートができるようにします。

 

これからの犬会の発展

犬会を通じて、飼い主同士のネットワークが強化され、地域コミュニティ内での支援体制が整うことが予想されます。例えば、ペットのシッティング(お世話)を相互に行うグループが形成されたり、災害時のペットの避難計画を共有するなど、単なる交流を超えたコミュニティの役割が期待されます。

 

1.新たなビジネス機会の創出

犬会の人気が高まるにつれて、これに関連する様々なビジネスが生まれることが予想されます。例えば、犬会専用の会場のレンタル、専門トレーナーや動物行動学者によるサービス、特別に設計された犬用の遊具やアクセサリーの販売などが挙げられます。これらのビジネスは、犬とその飼い主に新たな価値を提供し、経済の活性化に寄与するでしょう。

さらに、現代のウェブ広告市場が飽和状態にある中、ペット用品やサービスを提供する企業は、犬会というユニークなコミュニティを利用した新たなマーケティング手法を採用しています。

企業はこの場を通じて、愛犬家に直接製品を体験してもらい、その場でのフィードバックを得ることができます。実際に製品を手に取り、愛犬に使用してみることで、消費者の購買意欲は格段に高まります。

このアプローチの魅力は、口コミの力を最大限に活用できる点にあります。犬会の参加者が製品を気に入れば、その経験は友人や家族、さらにはソーシャルメディアを通じて広がり、企業にとっては計り知れない価値を生み出します。この現象は、特にペットオーナーの間で強い信頼関係を築くことができるため、デジタル広告では達成しにくい深い顧客エンゲージメントを実現します。

 

2.地域経済への影響

犬会が地域の施設やサービスを活用することで、地域経済にも好影響を与えることが期待されます。犬会をきっかけとして、地域のカフェやショップ、サービスが利用される機会が増え、地域全体の経済活動が活性化します。また、観光客を引きつけるイベントとして犬会が位置づけられる可能性もあり、地域の魅力向上にも寄与するでしょう。

 

3.持続可能性と倫理の観点

環境意識の高まりとともに、犬会における持続可能性や倫理的な取り組みが重要視されるようになるかもしれません。例えば、エコフレンドリーな犬用品の使用、動物福祉に配慮したイベントの開催などが求められるようになることでより、犬会は単なる娯楽の場を超え、社会的な責任を担うコミュニティとしての役割を果たす可能性があります。

犬会のこれからの発展は、飼い主のニーズと社会的なトレンドを反映する形で進化し、同時に経済においても新たな動きを見せることが期待されます。こういった犬と人との関係だけでなく、社会全体に対してもポジティブな影響を与える可能性を秘めていると考えています。

 

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