「今日はゴミ出ししてくれないのね」 夫がやる気を失う、妻のNG発言
PHPオンライン衆知 / 2024年8月13日 11時50分
夫が率先して家のことをやってくれない...共働き世帯が増え、夫婦間の家事育児のバランスは昔と比べて変化したとは言え、このような悩みを抱く女性が後を絶たないのが現状です。夫自身に問題点を直視してもらい、変わらなければならないと自覚をさせるには?
そんな疑問に「ダメ夫」を「神夫」に変えた夫婦問題カウンセラーの河村陽子氏が、「夫婦関係修復メソッド」でお答えします。
※本稿は、河村陽子著『うちの夫を「神夫」に変える方法』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
居心地が「いい場所」と「悪い場所」を比較する
男性って自分の居場所を求めるものです。ただ、ある程度、自宅にいる時間が長い女性の場合は"居場所感覚"が自然と生まれますが、ウィークデイは仕事で外に出ている男性の場合は居場所、すなわち定位置の感覚を家の中に得にくいんですよね。
仕事を終えて帰宅すれば、居心地のいい場所が欲しいのは当然です。夫婦関係に悩むクライアントさんに私がよくアドバイスするのは、状況的に可能なら夫の部屋を設けてください、ということです。
スペース的に難しければ、定位置だけでもセッティングしてくださいね、とお伝えしています。
一人掛けのソファでもいいし、小さなラグを敷いて何段階かにリクライニングできる座り心地のいい座椅子を置いてあげてもOK。外で戦ってきた夫がダラ〜ッとくつろげる場所を用意してほしいのです。そしてそこはいつもキレイにしておく。テレビのリモコンやゲームのコントローラー、愛用の耳かきなどを小さなカゴにまとめて傍らに置いておくのもいいですね。
リビングにソファがあっても、夫が帰宅したら妻と子どもがそこを占領してテレビを見ているという状態だと、夫はどこにいていいかわからず、「なんか居心地の悪い家だなあ」と思うようになります。これ、しっくりいっていない夫婦仲をなおさら悪化させます!
夫の定位置を決めたら、少なくとも夫が帰宅する時間には誰かがそこにいるということがないようにしましょうね。清潔で心地よく過ごせる場所があると、夫にとって家は「帰ってきたいところ」になります。
夫婦の未来や子どもの成長などを比較する
夫婦がともに白髪になるまで長生きすることを、昔は「共白髪」なんていいましたが、いまや平均寿命も延び、白髪が生えてからの夫婦生活のほうが長いんですよ。スゴい話ですよね。だからこそ夫婦関係のよしあしは生涯の幸福度に直結するのです。
老後はどんなふうに暮らしたいか、子どもたちが巣立ったら自宅をどうリフォームするか、のようにかなり先のトピックでもいいし、「週末、どこのお店にご飯食べに行く?」など数日後の相談でもOK。未来についてワクワクしながら話すことで、人生をともに歩む愛しい相棒という意識が高まります。
「私の意見」でなく、「誰々さんが言っていたよ」という言い方で相手をその気にさせる心理テクニックを「第三者話法」といいます。
たとえば、
「〇〇さんのところのご両親が70代で熟年離婚したんですって。理由は夫婦の会話がなかったからだっていうの。会話がある夫婦のほうが仲がいいのは想像つくけど、会話がある夫婦とない夫婦って、どうしてそんなに違っちゃうのかな?」
このように、聞いた話を元に、具体的に比較をさせる質問をします。
「わからないから教えて」という立場で、夫に答えさせること。「私はこう思うよ」と先に持論を展開すると丸ごと聞き流されます。
家事の頼みごとは「ついで商法」で
コンビニやスーパーに行くと、レジの近くに小さいサイズのお菓子がよく置いてありますよね?レジに行く流れで目に入るし値段も安いので、つい手に取って買うお客さんは多いもの。このように「ついでに」「何となく」購入してもらって、お店側がトクをする。これが「ついで商法」です。
いまでは自分の分だけではなく家族の分の食器まで洗ってくれるようになったうちの夫、食器だけでなくシンクの内側までキレイにしてくれます。これが成功したのも「ついで商法」で頼んだから。夫が自分の役割のついでに、ちょこっとやるだけですむ家事をお願いするんです。
食器を洗えば洗剤がついたスポンジを手にしているわけで、ちょうど洗い終わるタイミングを見計らって、
「ついでにシンクの内側、軽〜く洗っておいてくれたらうれしいなぁ」
と言ったら、とくに抵抗することなくやってくれるようになりました。
「ついで商法」の頼みごとを成功させるために大事なのは、面倒くささを感じさせないようにすることです。
たとえば、洗濯物を取り込むついでにベランダを掃除してほしいなんて言ったら、そりゃあもうイヤに決まっていますよね?
でも、
「洗濯物取り込んでくれたら、ついでにタオルだけ畳んでおいてくれると助かるわ〜」
と言えば、案外スムーズにやってくれます。タオルを畳むのはカンタンだし、そこまでたくさん枚数があるわけでもないですからね。メイン業務の流れでできることだけを頼むのがコツです。
夫の行動が鈍ったら、自分を振り返らせる質問をする
最近夫の行動がイイ感じ。そろそろ神夫になったかな〜と思っても、ふいにある日リズムが狂い、夫の行動が鈍ることがあります。
体調不良やイラつき、気分の落ち込みが原因だったりもしますが、単に何となくやりたくなくなってしまうことも。
夫にそんな様子が見受けられた場合、
「何よ、やっとゴミ出ししてくれるようになったと思ったら、もうやらなくなっちゃったわけ?」
などと言ってしまうと、たとえ事実でも「すぐ元に戻る」「意志が弱い」と決めつけられたくない夫は、なおさら悪習慣にハマり続ける可能性があります。誰しもダメなところをズバリと指摘されたくはないですもんね。
こんなときは、いまの自分を振り返らせ、自分で自分を見つめてもらう質問をしましょう。たとえば、お子さんがいるなら、
「子どもたちも、毎日仕事が忙しいのに家のことやってくれるあなたのこと、すごいって言ってたんだよ。子どもたち、残念がるんじゃないかなぁ?」
というように、子どもの気持ちを前面に出します。あくまで子どもの気持ちはどうだろうね? と質問するようにしましょう。
「お宅のパパ、休みの日の朝、家の前を掃除しててエラいわねぇってご近所さんが言うのよ。いつも子どもたちのいるところでほめてくれるから、あの子たちも自慢みたいなんだ。パパが全然掃除しなくなっちゃったら、子どもたちどう思うかな?」
子どもに加えて第三者の感じ方を想像させる、こういう尋ね方もアリです。
夫にもう一度いい行動をしてもらいたいなら、こうした質問によってなるべく自然に自分を振り返ってもらいましょう。
真っ向から否定したり、劣等感を抱かせたりしないように気をつければ軌道修正する可能性は高いですよ。いったんはいい方向に進んでいた夫なのですから。
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