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【閉園騒動から再出発】「ラブライブ!聖地」水族館、新社長が語った苦悩「従業員は大量解雇」「マイナスからのスタートです」

NEWSポストセブン / 2024年5月10日 19時20分

あわしまマリンパーク(左)と沼津を舞台にしたアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』

 今年1月、突然の閉園を発表し、話題をさらった静岡県沼津市の水族館『あわしまマリンパーク』。オーナーの経営判断で閉園となったが、5月に入り新社長が誕生。7月の営業再開を目指し活動していくことを発表した。新社長に就任した放送作家・今村クニト氏(54)がNEWSポストセブンの取材に応じ、胸中を語った。

 同園は1963年に開業した水族館(1984年に改称し現在の園名に)。淡島という駿河湾に浮かぶ無人島にある水族館で、伊豆半島側にある同園のフェリー乗り場から小型船で5分ほどの距離にある。 地元民にとって親しみがある水族館が一躍全国区になったのは2016年。TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』(以下、『ラブライブ』)の舞台のひとつになり、 “聖地”化したことだ。

 今年1月22日の閉園発表にあたって、多くの『ラブライブ』ファンが別れを惜しむなか、同園の伊藤裕館長は以下のように語っていた。

「オーナーが1年ほど前から譲渡先を探していたようです。コロナ前は年間10万人を超える来場者数があったが、コロナ禍で半分以下に落ち込み赤字に転落。コロナ禍が明けたこの1年は8万人ほどまで来場者数も戻り、赤字から脱却していたが、燃料代やエサ代の高騰もあり、館内の老朽化への修繕費に回す余裕はなかった」

いちファンが社長に

 5月10日、苦境のなか新社長に就任した今村氏が地元住民、ファン、メディアに対し内覧会を実施した。今村氏は「タモリのボキャブラ天国」(フジテレビ系)に出演したこともある元芸人で、現在は放送作家として『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などで活躍しているが、経営経験はない。“素人”でもある彼がなぜ社長に就任したのか。

「きっかけは私の息子が『ラブライブ』にハマったことで、僕も一緒に見ていたらファンになった。そこでこの淡島を訪れたら景色や周りの空気に感動してしまって。食事も美味しいですし。このマリンパークで働く従業員の方々のやさしさに触れて、20回以上ここに訪れていました」(今村氏。以下同)

 突然の閉園発表の際にはいちファンでしかなかった今村氏。「思ったよりお客さんが来てなかったのか……」とショックを受けたという。しかし、『ニュースキャスター』で水族館を取材したディレクターから「赤字ではなく、現場の人間は経営を続けたいようだ」という話を聞いたことが転機になった。

「別のところから、オーナー企業が『一定額を払えば経営権を譲渡する』意向だと聞いて。お金さえなんとか集めたら続けられるのかと。そこからディレクターに館長さんの連絡先を聞いて、どれだけ自分がこのマリンパークを愛していて、いかに素晴らしい場所なのかを何度もメールしました。当初は、館長さんのことも“敵”だと思っていたので『この場所の価値をわかっていないんじゃないか』などと言ったこともありました(笑)」

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