特殊清掃業者が見た「凄絶な現場」と「最もきれいな孤独死」 自分の死期を悟ってすべての持ち物を処分した70才前後女性の“散り際”
NEWSポストセブン / 2024年6月16日 10時58分
一方で、真逆の現場もある。塩田さんがいまでも印象に強く残ると話すのは、2階建て一軒家で独居していた70才前後の女性の散り際だ。
「室内に家具は一切なく、ベッドもなく台所に寝袋とわずかなゴミだけが残されて、何とも不思議な感じがしました。亡くなっていたのは玄関の入り口あたりで、小柄なかただったので遺体はそれほど傷んでいませんでした。おそらく自分の死期を悟って、家具などをすべて断捨離したのでしょう」
この女性のように、準備をしたうえで「きれいな孤独死」を迎える人も近年、少なくないという。その証左が、身寄りがなくある程度のお金を持った人から同社に舞い込む、「孤独死しても大丈夫な部屋を作ってほしい」という依頼の増加だ。
「リフォームまでしなくとも、ご自身で布団の下などにシートを敷かれているかたもいます。やはり、孤独死してから時間が経過すると血液や体液が遺体から排出されて、床を侵食して1階下の天井にじわじわと漏れ出ることがあるので、そうした事態を防ぐために、あらかじめ布団やじゅうたんの下にブルーシートや塩化ビニールのシートを敷きつめるリフォームの相談は多いです。
そうしたかたたちの目的は経済的損失を避けること。ですから遺言書も用意していて、“亡くなったらこの家をお金にして市に寄付する”と残していたりします。見事な孤独死といえるかもしれません」
(第3回へ続く。第1回から読む)
※女性セブン2024年6月27日号
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【家族に看取られなくても惨めとは限らない】「孤独死」は極上にも悲惨にもなり得る どちらになるかを決めるのは「生き様」と「準備」
NEWSポストセブン / 2024年6月17日 10時59分
-
「夏の遺体は2日で腐敗」遺品整理・特殊清掃のプロが見た年々増加している“孤独死”の現状
週刊女性PRIME / 2024年6月17日 6時0分
-
迷惑を最小限に抑える「理想の孤独死」を叶えるにはどうすればいいのか? 「早く見つけてもらう」ために活用すべき官民サービス、アプリなど
NEWSポストセブン / 2024年6月16日 11時13分
-
【増加する孤独死】“生涯未婚率の上昇”“熟年離婚の増加”の影響 高齢者と社会との接点の少なさも後押し
NEWSポストセブン / 2024年6月15日 11時12分
-
孤独死は「余計なお金がかかる」って本当ですか? 早く見つけてもらうために「お金で解決」できることはあるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月13日 10時0分
ランキング
-
1那須2遺体 死亡夫婦の長女を殺人容疑で逮捕 店の経営権独占狙う?
毎日新聞 / 2024年6月27日 13時10分
-
2【速報】大学生が転落死した美人局事件「少年院送致」決定を不服とした少女側の抗告を棄却 大阪高裁
MBSニュース / 2024年6月27日 16時5分
-
3JR新宿駅で警察官が刺されたか “路上生活者の女”の身柄を確保
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月27日 10時44分
-
4元検事長の定年延長訴訟 原告側「100%勝訴。国会で真相解明を」
毎日新聞 / 2024年6月27日 16時50分
-
5繁殖用の小型犬3匹を殺した疑い、「行き場のない犬に対する責任取った」…「2匹はすでに死んでいた」と一部否認
読売新聞 / 2024年6月27日 11時8分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください