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なぜ、東京都知事選には多くの人が立候補するのか 出馬は前回の22人を上回る史上最多となる見込み

NEWSポストセブン / 2024年6月19日 7時15分

 それでも、母数が多ければ少数でも支持者や共感者を得られる可能性はある。移り気な多数よりも、確実に寄り添ってくれる仲間を見つけやすい。ただ、それは当選することを必ずしも目的としないやり方だろう。

選挙は究極の消去法

 数少ない例外ながら、私が取材したことがある独力で戦った候補者でも後に晴れて議員になった人物もいる。

 2019年に東京都港区議会議員選挙に当選したマック赤坂氏と2023年に宮崎県宮崎市議会議員選挙に当選したスーパークレイジー君氏(2024年に辞職)だ。

 NHKから国民を守る党を一人で立ち上げ国政政党にまで押し上げた立花孝志氏も2016年の都知事選から取材をしている。当時の立花氏は世間から注目されるような存在ではなかったが、それでも2015年に船橋市議会議員に当選していた。そうした経歴を勘案すると、ほかの都知事選候補者と同列には論じられない。

 街頭で選挙活動をしていても、通りすがりの人たちに冷笑・罵倒・無視をされ続けながらも彼ら・彼女らが都知事選に出る動機は何なのか? 都知事選の供託金は300万円。ポンと出せる金額ではない。だからと言って、金持ちの道楽で選挙をしているわけでもなく彼らなりに本気だ。当選するつもりがあるのかはっきりしないように見える立候補者が数多く出現する東京都知事選挙は、多様で複雑になっている社会を象徴していると言っていいだろう。

 その理由は、「人は誰もが政治家であり、自分以上に理想の政治家はいないから」だ。そのため選挙は究極の消去法とも言われている。少しでも自分の考え方や気分に沿った人を選びたいと思ったとき、東京都のように多種多様な人が求められる場所は日本でほかにない。

 自分が選挙に出ないのとしたら次善の人、つまり自分の理想に近い候補者を選ぶしかない。よりマシな選択をするためにも、選択肢が多いに越したことはない。候補者が乱立する都知事選は、よりマシな選択肢を提示してくれる選挙ともいえる。

 せっかくバラエティーに富んだ候補者が揃う都知事選なのだから、事前の報道だけで投票を判断するのではなく、まずは多くの候補者を自分の目で見て、そして耳で話を聞いて、さらには握手で確かめてほしい。

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