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候補者乱立の都知事選 東大卒AIエンジニアが「超アナログ」な世界に名乗りを上げた理由

NEWSポストセブン / 2024年6月19日 11時15分

「自治体で行う手続きのデジタル化も推進したい。私の周囲にはパパやママとして子育てをしているかたがたくさんいるのですが、1回の出産で何枚もの書類を書かなければならない。また、今回の選挙で候補者として都庁に審査に行った時も数十枚の書類を受け取る必要があり、データで納品することもできなかった。そうした手続きにかかる負担は、デジタル化を推進することで大きく軽減されると思っています。 

 企業や組織でデジタル化がうまくいかない大きな理由は技術の問題ではなく『なんとなく腹落ちしない』『デジタル化する意味がわからないからこのままやりたい』といった意思決定の権限を持つ人の気持ちの問題にあることが多いんです。オンラインでチャットやリモート会議ができる情報共有ツール『Slack』や『Teams』などみなさんが普段会社で使っているアプリの性能と公共サービスの使いやすさが大きく違うことも、問題視しています。都知事は首長として広範囲に意思決定権があるため、そうした状況をいい方向に変えることができると考えています」

 出馬を検討しはじめたのはいまから3か月前の今年3月頃で、意思決定をしたのはなんと3週間ほど前の6月初旬。そんな“スピード立候補”を可能にしたのもまた、テクノロジーの力だった。

「個別の政策については、インターネットを通じて手を挙げてくださったエキスパートのかたを集めながら、Slack上で議論を交わし、練り上げて磨きをかけています。いわゆる選挙対策として物理的な”事務所”を持ってはいないものの、すでに600人ほどがチーム員としてかかわってくださっている。ボランティアチームの規模も、日々急速に拡大しています。もしこれが、実際に会って打ち合わせしなければ話が進まないのであればこの速度で進行するのはまず無理でした」 

 チーム員のほとんどは20代から30代前半。投票率が低く、「政治に関心のない世代」と言われてきたが、安野氏は違った見方をしている。

「初めて”推せる政治家”が出てきたというリアクションをいただくことが多くて……。私が提言している政策のオープンソース化で自分の一票がどう反映されていくか、その道筋が見えるようになったことで、一気に政治を”自分ごと”としてとらえられるようになったのだと思う」

 若い世代がテクノロジーの進化を歓迎する一方、「取り残されるのではないか」と拒否感を示すシニア世代は少なくない。

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