【私の推しメン対談・藤あや子✕野口五郎】明かされる1970年代アイドルの裏側 「一度、百恵さんにアドバイスをしたことがあります」
NEWSポストセブン / 2024年7月4日 6時58分
藤:アドバイスが受け継がれていくのは素敵ですね。私の師匠は作曲家の猪俣公章先生なんですが、いろいろなことを教えていただきました。たとえば、先生はよく、「歌は歌うんじゃなく語る、逆に詩は歌うんだ」とおっしゃっていました。21才のときにそう言われたもののピンとこなくて、でも忘れないでいたら、最近ようやくその感じがつかめるようになりました。
笑いも音楽と同じでリズムが大切!
野口:師匠や先輩からのアドバイスって本当にありがたいですよね。ぼくも先輩からいろいろ教えていただきました。たとえば、『カックラキン大放送!!』(日本テレビ系/1975~1986年放送)にレギュラー出演したときは、“笑い”について学ばせてもらいました。当時のバラエティー番組は、制作スタッフが皆、音楽に詳しい人たちだったんです。ぼくは歌の世界でやってきたから笑いがよくわからない。でも、スタッフの顔色を見て、彼らが笑えばおもしろいんだとわかるように。で、彼らはどんなときに笑うかというと、リズムがいいときなんです。
藤:笑いはリズムだった!?
野口:そう、歌も笑いもリズムなの。でもそうじゃなければぼくにバラエティーはできなかったと思う。リズムが崩れたら失笑される。笑われてはダメ、笑わせないとダメなんです。
藤:五郎さまは、歌だけでなく笑いのセンスもあるって思っていましたが、音楽と同じようにリズムを計算されていたからなんですね。
野口:堺正章さん(77才)と共演してから、よりリズムを意識するようになりました。あるコントで、荷物を片手に堺さんが電話を取ると、それは秀樹からの電話で、「五郎くん、五郎くん、秀樹くんから電話だよ」と言う場面がありました。それを受けてぼくが、「ぼくはここです」と言い、堺さんがこけるという筋書きなんだけど、リハーサルでは何も考えずに答えたら、堺さんから「五郎、それじゃあ、こけられないよ」と。で、気づいたんです。ぼくが自分のせりふにリズムをつけなかったのがいけなかったんだと。そこで「ゴローくん、ゴローくん……」という堺さんのせりふのリズムに合わせて答える。その結果、堺さんは見事にこけてくれました。
藤:そこまで計算して笑いを作っていたんですね。
野口:そう。ドアをノックするにも、「16分音符と16分休符を組み合わせて叩いて」って言われる。リズム感が問われるんです。
藤:驚きです!
(第3回につづく。第1回を読む)
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