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《旭川女子高生殺害》事件直前に助け求めたコンビニ店を責める正義の暴走 他のコンビニ店員「時給1000円とかでそこまで担うのは勘弁」

NEWSポストセブン / 2024年7月7日 16時15分

「店によっては『面倒だからなるべく警察沙汰にしないように』という店もありますよ。店そのものが危険な状況ならともかく、来店者のいざこざやその後の行動まで『あやしい』とか『犯罪では』で行動するのは無理ですから。コンビニで働いた経験のある方ならわかると思いますが、本当にとんでもない人っています。そういう人に逆恨みで嫌がらせを受けることもあります」

 難しい問題、そもそもコンビニは様々なサービスを提供する商店であり交番やそれに類する防犯を「職務」や「義務」として担っているわけではない。これは大前提だ。

「ぼく、アルバイトォォ!」

 これについて、都内でコンビニエンスストアを経営していた元オーナーに話を聞いた。

「なんでもコンビニにやらせておけ、で治安維持までいつの間にか担うように思われている。でもコンビニ店員は警察官でも警備員でもない。セーフティステーションという駆け込みや保護の対応に協力しているが、今回の旭川みたいなケースで未然に防ぐような行動は難しいと思う」

 コンビニは「セーフティステーション」と呼ばれる活動の担い手とされて久しい。元々は警察庁から「まちの安全・安心拠点としての活動を」と求められたのがきっかけで「自主的に」日本フランチャイズチェーン協会が取り組んでいる。

「24時間、年中誰かいるんだから交番の代わりをしろってこと。活動は地域の安全のためにも大事だし『市民として』の役目もわかるけど、コンビニ店員に犯罪者を捕まえろとか、駆け込んだ人の保護とか限界がある」

 コンビニ各社によって対応は異なるが、基本的にセーフティステーション活動は女性・子どもの駆け込み、高齢者保護、強盗・万引き・特殊詐欺被害の防止、災害や事故、急病人への対応などに店舗および従業員は取り組むよう努めるとされる。振り込め詐欺を未然に防いで警察から表彰されるコンビニ店員もいる。

 

「振り込め詐欺とか急病人の対応ならまだしも、今回の旭川とかコンビニ店員がどれだけできると思う? 悪そうな集団だからと店として首を突っ込む、私はそこまでできない」

 あくまで元オーナー個人の意見だが、先のベテラン店員もまた同様の意見だった。

「本音を言えば、時給1000円とかでそこまで担うのは勘弁です。金額じゃないと言われても、私にだってみなさん同様に人生はある。それに、本当にいろんなお客が来ますからね、やんちゃな若い男女の集団なんてそれこそ年中来る。コンビニの駐車場でたむろったり、いざこざを起こしたりはありますが、積極的には関わらないです。ましてそういう人たちがあとで大事件を起こした、それが実はそこにいた人で助けを求めていたなんて言われても、それをコンビニ店員に求められても困る。本音のところはどの店も、従業員もそうだと思いますよ。いや、非難してる人だってリアルではみなそうじゃないですか?」

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