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【凶暴化するカラス】人間を襲う事例が急増 身を守るための基本は「近づかない」、CDや水を入れたペットボトルは「一時的な効果しかない」

NEWSポストセブン / 2024年7月16日 11時15分

“後ろを守る”ための“グッズ”は身近にある。

「傘を差せば、カラスに襲われても蹴られることはありません。カラスは人間の後ろから襲ってくるので、傘があると“的”になる頭部が見えず、攻撃しようがなくなる。突然襲われて傘を開く余裕がなくても、閉じたままで頭より高い位置につきだせば、傘に接触することを恐れて攻撃できなくなります。

 もし傘を持っていない場合、帽子をかぶることでけがのリスクを抑えられます。帽子もない場合は、腕をまっすぐに上げて動かさずに通り過ぎましょう」(中村さん・以下同)

 その際、留意すべきは「走らない」こと。

「襲われたときに走ってしまうと、カラスの“ハンター”としての野生本能を刺激してしまいます。走って逃げるのではなく、腕を上に上げることで攻撃を防ぎつつ、歩いてその場から離れることが大切です」

CDや警戒音、ペットボトルの水は効果なし

 活発化するカラスの被害は、人間への直接的な攻撃だけではない。松原さんは、カラスによる「ゴミ問題」についても指摘する。

「カラスを観察していると、巣に産み落とされた卵のうち、巣立ちまで成長できるのは半分程度。『都会のカラスは生ゴミをたらふく食べている』というイメージを持っている人も多いですが、実際は慢性的に栄養不足です。厳しい競争を勝ち抜いてエサに辿り着くため、カラスも死に物狂いでゴミを漁っているのです」

 しかし、生ゴミの散乱は衛生上避けたい。中村さんは「ゴミを“見えない状態”にするのがいちばん」と話す。

「カラスは目で見てゴミを探すので、蓋付きのゴミ箱で『見ることもできない、開けようもない』状態にするのが大事です。蓋付きゴミ箱の設置が難しいところでは、丈夫なブルーシートで覆い隠して重しをしっかり置き、カラスがめくって荒らすことを防ぎましょう」

 生ゴミに加え、田畑や家庭菜園を荒らされる被害も後を絶たない。松原さんによると、カラスにとって家庭菜園は「魅力的なビュッフェ会場」なのだという。

「実はカラスはフルーツが大好きで、特に柿やびわが好物です。大切に育てた作物を守るためにはまず、防鳥ネットを張ること。もう1つは、透明な細い糸である『テグス』を使う方法もあります。

 カラスは羽を広げると約1mの大きさになるため、菜園全体にテグスを1m程度の隙間で張り巡らすと、羽が触れる可能性を嫌がってカラスは近づかなくなるといわれています。その際、地面から15cmほどの高さにテグスを張ると被害が最も少なくなるという研究結果もあります」(松原さん・以下同)

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