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文芸評論家・三宅香帆さんインタビュー「批評より考察が人気の今の時代、批評の面白さを伝えたい」

NEWSポストセブン / 2024年7月17日 7時15分

「特別な仕掛けはしていないですが、連載で読んでくださっていた方が本になったときにすぐネットで反応してくださったのが、今回の本では特に大きかったと思います。新書って書きおろしが多いですけど、連載で読者をちょっとずつ積み上げるようなことも実は大事なんじゃないかと気づきました」

 批評よりも、本が売れるような紹介を求められる状況が続いているが、今年30歳になったばかりの三宅さんは今後も批評の仕事を続けていきたいという。

「時代に逆行しているとは私も思っています(笑い)。考察と批評をよく私は対比するんですけど、今の時代は考察が人気で、作者が正解を持っていて、どうやってその正解にたどり着くかみたいな世界観が主流なんですね。それに対して批評は、こちらが文脈を読み取ったり解釈したり、作者が正解を持っているわけではないという立場です。時代精神みたいなものを語ると『エビデンスはどこにあるんだ』と言われたりするので、それをやりたがる人はいないし、なかなか受け入れられない時代だと思いますけど、私は批評がすごく面白いと思っていて。こういう本で面白さを伝えて、なんとか30代をサバイブしたいですね」

【プロフィール】
三宅香帆(みやけ・かほ)/文芸評論家。1994年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)。著作に『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』『推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない—自分の言葉でつくるオタク文章術—』『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』『人生を狂わす名著50』など多数。

取材・構成/佐久間文子

※女性セブン2024年7月25日号

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