1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

【“私の推しメン”対談】秋吉久美子×安冨歩・東大名誉教授 「ハッキリ考えを言えるのが秋吉さんの魅力」作品にもにじみ出るその人柄

NEWSポストセブン / 2024年7月24日 15時59分

秋吉:決して上から目線で言うわけではないんですけど、たとえば私は、50代を初期中年、60代を中期中年、70代を後期中年と呼び、80代からは老人、100才になったら仙人と区分けしているのですが、そう考えると、私はそろそろ後期中年。物事を起承転結のうちの「結」で見ようとするお年頃だから、安冨先生のケースも、モラハラを経験したからこそ、それが探究のエネルギーになっているんじゃないかと考えてしまうんです。

 だって人間には、悲しみや苦しみをエネルギーに変える力があると思うから。余計なことを言っちゃったらごめんなさいね。

忖度なし、ブレなしが2人の共通点

安冨:大丈夫。そうやってハッキリ考えを言えるのが秋吉さんの魅力だと思っていますから(笑い)。でも、忖度が横行するいまのテレビ業界だと、余計なことを言ったら出られなくなりそうなのに、秋吉さんはずっと活躍されている。どうしてなのでしょうか。

秋吉:確かにいまのテレビ業界は無難さに偏っていますよね。私だって、言ってはいけないことだけ事前に聞いておいて、それ以外のことを言っていますから。

安冨:かつても生意気だとか、シラケ世代の代表みたいに言われて、きつい思いをされたのでは?

秋吉:それも間違いではありませんから(笑い)。

安冨:でもそれって正直で、媚びへつらわないからだと思うんです。そんな秋吉さんのお人柄は、作品からも感じられましたよ。たとえば、1977年の大河ドラマ『花神』(NHK)の“おうの”役はインパクトがありましたね。高杉晋作の愛妾で、本来はそれほど存在感のある役ではないはずなのに、秋吉さんが演じると妙に記憶に残るんですよ。

秋吉:ありがとうございます。確かに、おうのは“いとをかし”(趣がある)な人でしたね。自由で無邪気で……。そう思えない役の方が演じるのが難しいんですよ。その点、おうのは演じていて気持ちがよかったですね。

安冨:1981年から始まった『夢千代日記』シリーズ(NHK)の芸者“金魚”役も素晴らしかった。

秋吉:「素晴らしかった」って(笑い)。語彙力のある先生が、私のことを表現しようとすると途端にボキャブラリーが乏しくなっちゃうんですね(笑い)。

安冨:『夢千代日記』は、高校生の私には神聖な世界でした。そこに出ておられた俳優さんたちは皆、私には“神々”に見えたのです。その中心的なかたが、ここに降臨されたのですから、言葉を失います。

10年後、先生の講義を楽しみにしています

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください