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体重は33キロに減り、電気も水道も止められて…22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人」 被害女性の母親が語る「犯人の主張に絶望」「なぜ娘が…」

NEWSポストセブン / 2024年7月23日 18時15分

「検察官も『僕も職業柄、遺体を見てきたがそんな自分でも目を背けるような姿でした。それでも見ますか?』と言うんです。覚悟を決めて、『見ます』と言って見せてもらった娘の姿は、かなりショッキングでした。でも、私からすれば亡くなったと知らされたときのショックのほうが大きかった。むしろ、ありのままの姿を見たことで、こういう形で命を奪われたんや、と分かりました」

 今年1月、ようやく迎えた大阪地裁での裁判員裁判。真実を知りたいという思いで里菜さんの母親も毎回傍聴したが、法廷での中田被告の言い分に絶望した。

「ゴルフクラブで殴打したという事件でしたが、加害者は『ゴルフクラブを持って手首をひねって叩いただけ』と言うんです。検察官に見せてもらった傷の写真を思い出しながら、手首をひねるくらいでこんな傷ができるわけがないと感じたんです。相当な力を持ってないとここまでの傷はできないですよ」

「人間のクズや」

 事件が起きたとき、里菜さんが中田被告の部屋に住んでいたのは“入院待ちのため”だった。里菜さんは結婚後、夫との間に子をもうけたが、夫からのDVにより、子供を連れて別居していた。「籍を抜くと居場所を突き止められてしまうのではと不安で、離婚をしていませんでした」と里菜さんの母親は明かす。その後、シングルマザーとして娘を育てるため風俗の道に進んだが、知り合いに勧められて違法薬物に手を染めてしまう。

「なんとかやめてほしいと思い説得していましたが、依存症に対して、私ひとりの力ではとても太刀打ちできない。治療を専門にする病院に連絡して、入院の手続きを整えていました。ところがコロナが蔓延し、今入院することは無理ですと言われて、延期になっていたんです。

 その間娘は、薬物を断つために自分で110番通報して、『私を捕まえてください』と訴えたりもしていました。最終的に娘を引き取って一緒に暮らしていたのですが、ここに私の再婚が関わってきます。私は娘たちが幼い頃に離婚し、看護師として働きながらひとりで子供達を育て、子供達が大人になって再婚しました(その後に離婚)。ところがこの再婚相手が『薬物に手を出してる人間をうちで面倒見たくない』と言い、同居することができなかったのです。娘を守りたいけど再婚相手との生活もあり、葛藤している間に、娘は『新しい旦那に気を遣っているお母さんを見たくない』と、家を出て行きました。

 娘はひとりでマンションに住んでいましたが、体重は33キロに減り、部屋の電気やガスが止められている状態となったことから、生活保護の申請のため私と娘が役所の窓口に3回、申請に行ったんですが、一度も受け付けてくれませんでした。夫からのDVという事情についての確認もなく、頭ごなしに娘の生き方を否定されたことで娘も非常にショックを受け『もういいねん。私はまともに生活できる人間じゃない。人間のクズや』と落ち込んでしまった」

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