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「ついにやりました」「首を締めた自分と見ている自分が居ます」“超老老介護”の果てに妻の節子さんを絞殺した吉田友貞さん(80)が携帯に残していた生々しい言葉の数々…遺体と並んだベッドの上で包丁を「自分の首に刺そうと」

NEWSポストセブン / 2024年7月31日 10時58分

 そう話すと、吉田さんは涙を流し長い時間、沈黙した。

「本当に俺だけが生きているという今の状況は考えていませんでした。でも、自分がどうやって死ぬかってことも考えていなかったんだね。死ぬ気はあったんだけど……。仕事で使っていた大きな包丁があったんです。もう何年も使ってないから、かなりボロボロだった」

 記者の目の前で、仰向けになるジェスチャーをする吉田さん。刃物を持って、自分の首に刺す動作をする。

「こうやって。やっぱり力が入んねえんだろうな。(刃物が)でっけえからダメなのか。小さい刃物でこうやった方が良いかなとかね。血だらけにはしたくなかったしな……」

 結局死ぬことはできず、丸一日以上、吉田さんは死亡した節子さんの傍らで過ごしたとみられる。現場では、多くの一升瓶が空いていたという。

「安心すこやかセンター(行政の高齢者支援窓口)の係員の人が来たんだけども、全然俺んちの応答がないから、神奈川に住んでいる妹のところに電話を入れたんです。妹はうちに何度も電話したけど、俺は出られなかった。最終的に、警察に電話して警察官が2人来ました。

 警察官は扉をドンドンと叩いて、 『開けねえわけにいかねえかな』と思ってね。鍵を開けると、警察官が入ってきた。『妹さんから安否確認の電話が入っているから電話してください』って。 節子を手前のベッドで寝かしていたから、警察官に『起こしてください』って言われて、『起きません』って言ったんだよね」

 こう話すと、吉田さんはメガネを外した。目尻には涙が見える。体は小刻みに震えていた。

「もう起きませんからって」

 節子さんの遺体は、仰向けで手を組みタオルのハンカチを持った状態で、両脇にも綺麗なタオルが置かれていた。寝るときにはタオルがないとダメたった生前の節子さんを思い、吉田さんがそうしていたのだという。

「警察が来てからは、覚えているような、覚えてないような……。警察に連れて行かれて、取り調べを受けたなっていうのは覚えてるけども、何喋ったのか覚えてないんだよね。検事の取り調べで警察にこうやって言ったんでしょって言われても、言った覚えもあるようなないような」

 昨年10月に逮捕された吉田さんの身柄は、11月に東京拘置所に移され、今年5月に保釈されていた。そして6月に行われた裁判で吉田さんは事実関係をすべて認めた上で、以下のようなことを被告人質問で話していた。

「2人きりの家族なので介護をするのは当たり前のことだと思っていた」

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