1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

【7月28日は世界肝炎デー】石川ひとみ、B型肝炎への誤解と偏見を乗り越えて…同じ病と闘う仲間と悩みを共有することが支えに

NEWSポストセブン / 2024年7月28日 11時15分

 舞台の降板が決まり、入院生活が始まった。肝機能障害の治療は「安静」が基本となるため病室から一歩も出られない日々が続くが、入院生活は思ったほど退屈ではなかったという。

「これまで無理しすぎていたからか、ベッドで体をゆっくり休めることができたのはありがたかったです。ただ、病院の壁に貼られていたカレンダーを見るのはつらかった。日付を見ると、『舞台初日なのに、私は病院にいる』と嫌でも思い知らされ、気持ちがふさいでしまう。看護師さんにお願いして外してもらいました。一緒に頑張っていた仲間の活躍を見るのがつらくて、一時期はテレビを見るのも避けていました」

想像を超えた理不尽な差別と偏見

 治療は順調に進み、少しずつ外出できる時間は増えていった。だが退院してもすぐに元の生活には戻れない。毎週通院しながら、1年間は自宅で療養し、少しずつ仕事に復帰していった。そんな中、石川を苦しめたのは、想像を超えた理不尽な差別と偏見だ。

 肝炎は“国内最大級の感染症”ともいわれ、自覚症状がほとんどないため肝がんや肝硬変などに重症化しやすい。主に血液・体液を介して感染し、握手など通常の接触では感染しないが、当時はいま以上に誤った知識が広がっていた。

「街を歩いていたときに、ファンのかたにお願いされて握手をしていると、通りがかりの人から『その人はB型肝炎だから、握手したらうつるぞ』と言われて、びっくりして……。何もしていなくても『あの人、B型肝炎の人だ!』と名指しされたこともありました」

 気分転換にスイミングスクールに通い始めると、保護者から「子供に感染すると困るから、やめさせてほしい」と苦情が寄せられたこともあった。

「そのときは、スクールのかたから『感染しないことはわかっているので、気にしないで通ってください』とおっしゃっていただきました。保護者の気持ちもよくわかります。私が逆の立場で正しい知識がなければ、同じことを言ってしまったかもしれない。直接、真実を伝えられないのがもどかしかったです」

 一方、支えになった人もいた。夫である音楽プロデューサーの山田直毅さんもそのひとり。デビュー当時から石川の音楽監督を務め、発症後も変わらず石川を励まし続けた。

「夫からは本当に、たくさんの元気をもらっています。肝炎というと“感染する”という印象が強く、昔は特に避けられることが多かった。でも夫は、『そんなことはないよね』と寄り添ってくれて、どうすべきかを一緒に考えてくれた。前を向くことができたのは彼のおかげです」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください