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「8人も相手をしたのにお金をくれなかった」「フォロワーは売春の潜在的な客」29歳パパ活女子はなぜ49歳男性を刺したのか法廷で明かされた“乱倫パーティ”の実態

NEWSポストセブン / 2024年7月27日 16時1分

 実は伊藤被告は5月8日からBさんの紹介で昼職としてコールセンターで働くことが決まっていた。しかし、生活が安定するまで援交やパパ活は続けていく考えだったため、「口で言い合っても無理だし、Aさんが生きたままだと私が生きていけないという気持ちだった」とはっきり口にした。

Aさんは「絶対に許さない」

 法廷ではAさんの傷痕の写真も公開された。腹部を25ミリも縫い、傷痕はいまも鮮明に残っている。Aさんは被告人のような女性を見かけると動悸が止まらず、バイトの応募をしても、ネットに名前が出てることを理由に断られていると証言。伊藤被告に対しても「同じ傷を負わせたい。同じ痛みを負わせたい。たった2回しか会ってないのに、なぜ変な恨みを買われなければいけないんだ」などと強い怒りを見せた。

 一方、伊藤被告は事件から1年経ち、どう思っているのか。弁護人に問われた伊藤被告は「人を刺すということは本当によくなかった」「証拠として提示されたAさんの傷痕を見たら想像以上だったので申し訳なかった」と口にするものの、「そのこと(傷痕が残った)については申し訳ない」と含みを持たす。

 Aさんへの感情は処理できないままのようで、「どこでなにをどうしていたらこういう結果にならなかったのかが、まだわかっていない」と述べ、涙声に。「Aさんの真意も分からないし、いまも十分反省できていない。自分自身と向き合って考え続けなければいけない、過去と未来について」と声を震わせながら口にした。

家族、乱倫パーティの仲間とは縁を切る

 伊藤被告は手紙のやり取りをしていた母親に公判の日時を伝えたというが、傍聴席に母親らしき人物は確認できなかった。物心つく前に離婚した父親も一度面会に来たというが、「無神経なことを言われた」と漏らしていた。

 伊藤被告は罪を償った後は家族、乱倫パーティの関係者と縁を切り、「できるだけ穏やかな生活がしたい」と、大好きな作家・伊坂幸太郎ゆかりの地である宮城県で生活したいと考えているという。鑑定医から指摘された「お金への強い執着」に対しても「落ち着いた生活をして刺激を求めないようにする」とハンカチで涙を拭いながら答えた。Aさんの治療費550万円も出所後、少しずつ返していくという。

 7月18日の判決で裁判長は最後に「偏った性格が事件に繋がったものの、その性格もまた自分の個性。その個性がいい方向に繋がればいい個性として発揮できる。自分の個性にとことん向き合い、把握して掴んで出てきてほしい。福祉など頼れるものに対し躊躇はいらない。人の縁に恵まれればいいと裁判所一同で願います」と言葉を添えた。

(了。前編から読む)

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