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やはり強かった照ノ富士 それでも「親方になれない問題」は解決せず、簡単に引退できない状況…悩み続ける日々

NEWSポストセブン / 2024年7月29日 11時15分

土俵上では実力を示した照ノ富士だが…(時事通信フォト)

 場所前は「出場すれば引退」と囁かれていた横綱・照ノ富士だが、名古屋場所では、今年1月の初場所以来となる10度目の優勝を果たした。両膝に爆弾を抱え、現役続行の危機とさえ見られていたなかで、見事に実力を示し、復活をアピールしたわけだが、それでも“将来への不安”は消えていないようだ。若手親方が言う。

「先場所は初日に1横綱4大関が全滅。照ノ富士は2日目から休場してしまった。今場所も初日に好調の平戸海が対戦相手に決まった時は、先場所の再現かとみられていた。しかし、立ち合いこそ攻め込まれたが、その後は圧力をかけながら寄り切った。3大関に土がつくなか、白星スタートを切ると、翌日からは危なげない相撲で白星を重ねました。

 両膝の調子がいいのか、相手に圧力をかけながら前に出る相撲が取れていた。今場所も途中休場となれば引退勧告の可能性もあったが、その状況は一変。あと1年は休みながらでも横審や協会から引退勧告はされないのではないか。真面目に巡業にも参加している優等生横綱ですからね」

 この若手親方は、ひとり横綱に引退されては困る状況になったと話す。

「今場所の展開次第では、9月場所は5大関になるかもしれなかった。大関を陥落した霧島が10勝を挙げれば大関に復帰できて、先場所初優勝した大の里が連続優勝なら大関昇進の可能性があったわけですから。

 ところが、大の里は序盤で黒星を重ねて昇進は早々に絶望的に。霧島はモンゴル互助会が動くとの見方もあったが、10日目に対戦した照ノ富士は厳しい相撲で霧島を一蹴。5敗目を喫してしまった。霧島は8勝7敗で勝ち越すのがやっとだった。そのうえカド番大関の貴景勝がずっと黒星先行で5勝10敗に終わった。来場所はまさかの2大関という状況です」

 協会の看板力士となる“次の横綱候補”たちの不甲斐ない成績で延命となったわけだが、照ノ富士は引き続き頭を悩ませなくてはならない問題を抱えている。そう簡単には、引退できない事情があるのだ。

「来年7月に65歳の定年退職を迎える師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)は、後継者に照ノ富士を指名している。しかし、伊勢ヶ濱親方は定年延長で参与として協会に残る予定で、照ノ富士がすぐに『伊勢ヶ濱』の年寄名跡を譲ってもらえるわけではない。部屋の継承には交換する年寄名跡が必要となる。

 だが、年寄名跡は不足しており、年寄名跡が多い二所ノ関一門の貴景勝も手当ができていない状況。弱小の伊勢ヶ濱一門にあっては、白鵬(現・宮城野親方)でさえ手当が大変だった。退職間近の再雇用の親方もいない。現在、『振分』と『出来山』が空席になっているが、『振分』は高砂一門の名跡だったものを先代の未亡人が出羽海一門の妙義龍に譲渡した。『出来山』も出羽海一門の名跡となっている。

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