【超老老介護の果てに殺害】妻の首をその手で絞めた吉田友貞さん(80)が振り返る犯行に至るまでの“分岐点”「見栄を張ってたんだと思う」
NEWSポストセブン / 2024年7月31日 15時59分
だから、それがなんでちょっとの違いでこうなっちゃうのかなって……。裁判の時にも言ったけども、やっぱり頭ん中どうなってんだろうって思いますよね。普通に調子のいい時はさ、何も言わないのに向こうから謝ってきてくれたのにさ」
節子さんにお礼を言われた時に、吉田さんは照れていたのか、ぶっきらぼうな態度をとっていた。
「俺はあんまり優しい言葉なんか言えないから。仕事場でほら、帰りにスーパーに寄って買い物してきたりするわけじゃない。『大変だね』って節子が言うから、『しょうがねえだろ』って言ってたね」
吉田さんが振り返る「殺人事件」の分岐点
これまでのインタビューで吉田さんは、節子さんはしっかりもので、家のことなどは甘えきりだったと明かしている。しかし、晩年の節子さんは吉田さんと2人でいる時には、様子が変わっていたという。
「あるとき、朝起きたらハグしようとか、寝る前はハグしようとか、そういうこと言い始めたのね。全然そういうタイプじゃなかったのにね。もしかしたら、あれが本音だったのかもしんないよね」
記者が実際にハグをしていたのか、と尋ねると少し照れたように吉田さんは答えた。
「しないと納得しないから。朝、会社行く前にハグ、寝る前にハグってことです。あるときなんかさ、さっきまで口論していたのにね、寝るからハグしてって言われたって、そんな急に無理じゃない。あれをもうちょっと子供をあやすようにやっていれば、良かったのかな。しっかりもので、俺が甘えてばかりだったけど、本音は寂しがり屋だったのかなってね、思う時もあります」
長年寄り添った妻を殺害するという、何があっても越えてはいけない一線を越えた吉田さん。視力をほとんど失い認知症を患う節子さんの介護を一人でやり、思い詰めた末の犯行だったことは本人も何度が述べているが、家族にも精神科医にも相談できなかったことも悲劇の一因なのだろう。
「去年の7月の段階で節子を診てくれる神経内科の先生を断ったことがあるんですね。1回来てもらって、次の予定が7月25日になったんです。ところが、節子が嫌がって先生が来ても『受けない』って言い始めたので断った。周囲の助けという意味で、あれがね、すごい別れ道なんだね。他でも話しましたが『分岐点』だったと考えています」
またしても大粒の涙が頬を伝う。
「頼ることが大事なんです。今は本当にそう思います。結局ね、高齢者の相談窓口で受けられる支援も、こっちで拒否しちゃった部分もある。周りの支援を100パーセントこっちが利用したかって言うとさ、そうじゃないんだよね。
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