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【超老老介護の果てに殺害】妻の首をその手で絞めた吉田友貞さん(80)が振り返る犯行に至るまでの“分岐点”「見栄を張ってたんだと思う」

NEWSポストセブン / 2024年7月31日 15時59分

 人間誰でもさ、プライドってあるよね。プライドってのは必要だけども、それが見栄になったら、しょうがないわけだよね。どっかでね、見栄張ってたのかなって思うね。これ以上はみっともないとか、見せたくないとか……」

 取材の終盤、吉田さんは節子さんとの守れなかった約束を話してくれた。

「まだ元気だった時に、死んだ時はこうしようとか、そういう話をしていました。あいつのいちばんの望みはね、海洋散骨だったんです。ヘルパーさんと笑ったんだけどね。なんでか本人に聞いたらね『世界中行けるし、最後は竜宮城に行くからいいよ』って。意外とロマンチックなんだよ。

 あとね、死んだ時には棺にタオルを入れてくれって。でもその頃、俺は、警察にいて何もできなかった。天国で節子に会えたら『ごめんね』って言いたいです。謝りたいです。どうしてなのか、節子は夢に出てこないんです」

 今後はどうするだろうか。

「俺は殺人犯です。近隣の人にも迷惑をかけた。でも、裁判にまで来てくれて応援してくれる人もいるんです。だからここで一人で住んで、できることをやろうと思います。女性が多くて、こんな年の俺でも役に立てることはあるんです。

 シルバー(人材センター)の友人とも刑が確定したら、麻雀しようって誘われていて。これからは周りの人を頼って生きていきます」

 節子さんの仏壇に供えられた大きな白いユリの花。目が見えなくなっていった節子さんだったが、白いユリの花だけはかろうじて見えたため、通院の際によく2人で買っていたという。ユリの花の前で、今後の人生についての展望を話す吉田さんは寂しそうな表情を何度も見せていた。

(了。第1回から読む)

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