巨人と阪神を悩ませる「正捕手が定まらない」問題 球界捕手OBたちが分析「阪神は2人が切磋琢磨していい方向に働いている」「巨人は小林が鍵を握る」
NEWSポストセブン / 2024年8月8日 16時15分
大混戦のセ・リーグで覇を競う巨人・阿部慎之助監督と阪神・岡田彰布監督。2人の指揮官が頭を悩ませるのが、正捕手をめぐる問題だ。両チームの今の状況を、往年の名捕手たちはどう見るか。
巨人も阪神も、シーズンの折り返しを過ぎてなお、正捕手が定まらない。
巨人はシーズン序盤こそ打撃力のある大城卓三(31)が正捕手を務めたが、直近は岸田行倫(27)を軸にしながら、先発投手が菅野智之(34)の時は小林誠司(35)がスタメンでマスクを被る。
一方の阪神は、38年ぶりの日本一の立役者となった坂本誠志郎(30)と、昨シーズンは死球による骨折で長期離脱した梅野隆太郎(33)が先発投手に応じてそれぞれ起用されている。
両軍とも今シーズンは、キャッチャーの起用法が大きく変わり、レギュラーが固定されないままシーズン後半を迎えている。
巨人V9時代の正捕手で西武監督時代は9年間でリーグ優勝8回、日本一6回の黄金時代を築いた森祇晶氏はこう言う。
「キャッチャーのあり方は時代とともに変わるかもしれないですが、“この投手にはこの捕手”という起用法にしてしまうと、キャッチャーは特定の人と組んで勝つことばかり研究するようになり、他のピッチャーのことを学ばなくなる。技術を磨くうえでマイナスです」
自身の西武監督時代には伊東勤氏を扇の要に据え、守備に定評のある大宮龍男氏をトレードで獲得したことを振り返りながら、こう続ける。
「キャッチャーは怪我が多いポジションですから、正捕手が離脱した時に躊躇なく任せられる守備力のある控えがベンチにいることが重要です。それなのにベンチにいるのが特定の投手のためのキャッチャーでは戦えませんよ。今の巨人なら、岸田か大城をレギュラーに固定してベテランの小林を完全に控えに回せれば、盤石な体制になる。捕手出身の阿部監督も1年目でまだ手探りでしょうが、そういう野球を目指してくれるのではないか」
もっとスガコバの活用を
球史に残る名捕手であり名監督の野村克也氏は「優勝チームに名捕手あり」の言葉を残した。
昭和で言えば森氏や野村氏、平成以降ではヤクルトの古田敦也氏ら“不動の正捕手”が、攻守にわたって優勝チームを支えた。
その点、令和の巨人と阪神の起用法は往時と大きく異なる。1980年代の広島カープで正捕手として活躍した達川光男氏はこんな見解を示す。
「今のピッチャーは分業制です。とくに試合後半は1イニング交代でいいから強い球を投げさせ、継投で勝つ戦略を取るチームが多くなっている。加えて昔より“投高打低”で打者に比べて投手の力が高いことから、キャッチャーに求められる役割としてリード力よりキャッチングの能力や投手に気持ちよく投げさせられるかどうかの“相性”のほうが重要になってきている。だから正捕手が定めにくい。ややこしい時代になりましたよ」
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