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【NPB左腕を多数輩出】甲子園準決勝に挑む京都国際 勝利の秘訣は「サウスポー2枚看板」 なぜ「左腕王国」は誕生したのか

NEWSポストセブン / 2024年8月21日 7時15分

京都国際の「サウスポー2枚看板」であるエース・中崎琉生(左)と2年生の西村一毅

 第106回の甲子園も準決勝を迎える。小牧憲継監督と宮村貴大部長という共に1983年に生まれた京都成章の同級生コンビに率いられ、春のセンバツで敗れた青森山田とのリベンジマッチに臨むのが京都国際だ。同校は好左腕の森下瑠大(現・横浜DeNA)が2年生だった2021年に初めて甲子園の土を踏み、その年の夏には初めて京都大会を制して選手権ではベスト4に進出。京都韓国学園を前身とする野球の新興校ながら、いまや京都のみならず近畿の高校野球をリードする存在である。

 京都国際は2008年以降、11人ものプロ野球選手を輩出(育成契約含む)しているが、近年は2022年ドラフト4位の森下をはじめ、左腕投手の育成に長けた学校として注目が集まる。昨年のドラフトでも同校から3選手が指名され、そのうち広島の育成3位・杉原望来と福岡ソフトバンクの育成8位・長水啓眞がサウスポーだった。

 そしてこの夏の甲子園でもエース左腕の中崎琉生が初戦の北海道・札幌日大戦(7対3)と3回戦の福岡・西日本短大付戦(4対0)で完投し、やはり2年生左腕の西村一毅が2回戦の新潟産大付戦(4対0)と準々決勝の奈良・智弁学園戦(4対0)と2戦連続で完封した。ふたりの左腕が交互に先発・完投することでチームは勢いづいてきた。

 なぜこれほどの左腕王国が誕生したのか。小牧監督が明かす。

「左ピッチャーばかり声をかけているわけではないんです。ただ、最近は森下に憧れて入ってくる子が多いのと、宮村部長が左ピッチャーなので、左ピッチャーの特徴がわかっているというのが育成においてはうまくいっているような気がします。右ピッチャーもいるんですが、どうしても序列をつけた場合に左の選手のほうが上になる。左ばかり力を入れているように思われるのは、投手コーチを担当する部長からしたら歯がゆいことだと思いますね(笑)」

「京都国際=左ピッチャー」の“ブランディング”

 小牧監督の母校である京都成章は、1998年夏の甲子園決勝で松坂大輔のいた横浜と対戦し、松坂が京都成章打線をノーヒットノーランに抑え、横浜は春夏連覇を遂げた。小牧監督は翌年に同校に進学し、3年時に主将を務めたが、そのチームのエースだったのが宮村部長だった。宮村部長が話す。

「京都国際のやり方として指導陣が完全に分業で、責任を持って指導にあたるというのが大きな特徴だと思います。『左投手を育てるコツは?』と、みなさんに質問されるんですが、私としては右左同じ指導をしているつもりです。ただ、私自身が左投手だったことで、感覚的な部分が左投手には伝わりやすいのかなとは思いますね」

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