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書店経営者・辻山良雄さんによる“書店経営者との対話集”「解像度の高い仕事の話って、どんな仕事の話でも面白いと思う」

NEWSポストセブン / 2024年8月25日 7時15分

 京都と大阪の中間ぐらいに位置する水無瀬の長谷川書店、長谷川稔さんの、こんな言葉も印象に残る。

「この仕事をはじめたときから、全力で可能性のほうにかけ続けているんですよ。お客さんを低く見ないというか、見くびらないようにして」

 ふつう新刊書店では、話題の本を目立つところに平積みにするが、長谷川書店水無瀬駅前店では、平積みにすると売れないので一冊ずつ並べる。一対一のやりとりなのだ。

「先日、関西で用があって長谷川書店をのぞいたんですけど、ぼくたちが店にいるあいだずっと、長谷川さんは、お客さんに話しかけられてましたね。子どものいるお母さんや近所のおばあちゃんがやってきて、何か話して『バイバイ』と去っていくんです」

 旅の終わりは新潟・北書店に行くと決めていたそう。辻山さんが北書店の佐藤さんに初めて会ったのは2015年7月20日、勤務先のリブロ池袋本店が閉店した日だった。

 佐藤さんは2022年に脳内出血で緊急搬送された。復帰後は一度、店を閉じ、移転して規模を縮小して再開するが、辻山さんが訪れる少し前には取次(仕入れ先)が倒産、新たな取次を見つけて……と波乱はさらに続いていた。

「なんだこの試練は」と憤りつつ、佐藤さんは本屋を続けている。2時間半、立ちっぱなしで行われたという怒濤のインタビューは、「地の塩」であることと、本のタイトルの「しぶとさ」も感じさせ、旅の終わりにふさわしい、密度の濃い内容になっている。

【プロフィール】
辻山良雄(つじやま・よしお)/1972年兵庫県生まれ。大手書店チェーン「リブロ」勤務を経て、2016年1月、東京都杉並区(荻窪)に新刊書店「Title」を開業した。著書に『本屋、はじめました』『365日のほん』『小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常』、『ことばの生まれる景色』(nakabanとの共著)がある。

取材・構成/佐久間文子

※女性セブン2024年9月5日号

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