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【子どもの連れ去りが多発】「公園は安全」は大間違い 「だれでもトイレ」にも危険あり 犯罪学の専門家が指摘する「犯罪者が狙うポイント」

NEWSポストセブン / 2024年9月4日 11時15分

 犯罪機会論が浸透している国では、公園の場所と建物のレイアウトは一体化しています。公園は決して「オマケ」ではないのです。大きな公園ではトイレの場所を決めるのにも神経を使います。設置の基準はやはり「入りやすい」「見えにくい」場所を避けることです。

 そうしたことに無頓着なまま、遠くの公園は危ない、マンションのすぐ下の公園なら安全だと思うのは危険ですから、十分気をつけたいところです。

トイレは絶対に子どもひとりで行かせない

 公共のトイレも男性、男性の障害者、女性、女性の障害者というふうにゾーンで区別するのがベストです。海外のトイレはこの4つのゾーンに区切られているケースが多いのです。

 一方、日本のトイレでよくあるのは、男子用、女子用、障害者用トイレの3つに区切られているケースです。とくに障害者用トイレは、「だれでもトイレ」などという名前がつけられ、誰もが利用できるようになっています。誰でも入れるというのは、「入りやすい」場所ですから、防犯的には最悪になってしまいます。障害者が男女で同じトイレを使うのは先進国では日本ぐらいですから、市民が声をあげて変えてほしいと思います。また、公共施設のトイレに子どもひとりで行かせるのはとても危険だということを認識してください。

店舗のトイレも要注意

 店舗でも規模が大きくなると、見えにくい場所が出てきます。たとえば、郊外型のショッピングモールです。階段の踊り場などの見えにくい場所にトイレがあったりしますが、そこで誘ってトイレに連れ込むということが考えられます。

 店舗のトイレで起こった事件としては、2015(平成27)年に奈良県香芝市で起きた小6女子児童の誘拐が記憶に新しいでしょう。

 7月4日土曜日の午後1時50分ごろ、香芝市のリサイクルショップに家族4人で訪れていた女子児童が「トイレに行く」と言い残し、北館から南館のトイレへ向かったあと、行方不明になりました。

 容疑者の男は南館に隣接する駐車場に車を駐め、そこから歩いて数十歩のトイレで女子児童を拉致し、自分の車に乗せて隣の大和高田市の自宅に連れ去り、監禁していました。幸い女児は保護されましたが、一歩間違えば命が危なかったかもしれません。

 女児が行方不明になったリサイクルショップ南館のトイレは、建物の裏手の奥まった場所にあったため、利用するには店を回り込む必要がありました。そこを出入りする人の様子は駐車場からよく見えました。男は車内から物色できるので怪しまれにくかったのです。このような施設は、犯罪者にとっては絶好の場所になります。

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