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京都国際・小牧憲継監督が明かした「名刺を捨てられたことも」「過去の謹慎処分」 前任の在日3世監督も語った「あの学校、環境でよくぞ……」

NEWSポストセブン / 2024年9月6日 15時58分

 報道陣の前では常にニコニコしている小牧も、曽根海成(現・広島)が主将を務めた2012年頃、練習試合中に曽根に暴力を振るい、3か月の謹慎処分を受けた過去がある。小牧にしてみれば、蒸し返されたくない話題だろう。だが、この件にも逃げずに向き合う。

「まだまだ選手のレベルが低く、曽根の実力だけが突出していたチームだったんです。試合中、仲間のミスに曽根がイライラして、自分の思い通りにいかないことにふて腐れた態度をとっていた。『お前がキャプテンとして下手なヤツらをカバーして、引っ張っていかんとあかんやろ』と、つい手が出てしまいました」

 昭和の高校野球ならよく見かける光景かもしれないが、現代では許されない指導法だ。本人も「もちろん、今では生徒に手を上げることは絶対にない」と言う。

日本一を可能にした「指導者4人体制」

 現在の京都国際は、2013年頃にコーチに就任した岩淵雄太(33)が、小牧に代わって選手勧誘を担当。そして小牧が野手、小牧の京都成章の同級生である部長の宮村貴大(41)が投手の育成を担当する。さらに昨春からは小牧よりも年配の男性コーチを寮監として招き、選手たちの父親代わりとして寮での生活基盤を支えている。

「4人の指導者が担当を完全に分担して指導にあたっています。日本一を達成できたひとつの要因ではあると思います」

 この夏の京都国際はエース左腕の中崎琉生が初戦の北海道・札幌日大戦(7対3)と3回戦の福岡・西日本短大付戦(4対0)で完投し、やはり2年生左腕の西村一毅が2回戦の新潟産大付戦(4対0)と準々決勝の奈良・智弁学園戦(4対0)と2戦連続で完封した。ふたりの左腕が交互に先発・完投することでチームは勢いづいてきた。

 そして準決勝・青森山田戦では西村が中崎を好リリーフして勝利を呼び込み、決勝・関東第一(東東京)戦では攻守に渡って大車輪の活躍を見せた。西村の覚醒――それは小牧をはじめ誰もが予想していなかったことだった。

(全3回の第2回。第3回に続く。文中敬称略)

■柳川悠二(やながわ・ゆうじ)/ノンフィクションライター。1976年、宮崎県生まれ。法政大学在学中からスポーツ取材を開始し、主にスポーツ総合誌、週刊誌に寄稿。2016年に『永遠のPL学園』で第23回小学館ノンフィクション大賞を受賞。他の著書に『甲子園と令和の怪物』がある

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