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《標高3000メートル密着ルポ》槍ヶ岳で医療ボランティアが支える“雲の上の診療所”、時代とともに変わる山頂のリアル「雪はどんどん減り、熱中症の登山客が……」「人手が足りず週末しか開所できない診療所も」

NEWSポストセブン / 2024年9月6日 7時15分

 槍ヶ岳診療所のありがたみを特に感じたのが、2020年のコロナ禍でした。当時は近隣の他の山小屋や山岳診療所はすべて閉鎖していましたが、慈恵医大の槍ヶ岳診療所だけは感染症対策をしながら開所してくれました。槍ヶ岳は北アルプスの登山道の交差点でもあるので、この山荘と診療所がないと無理をする登山客が後を絶たないのです。山荘で発熱した登山客を隔離しなければならないケースもあり、一番相談したい時に身近に医療従事者がいてくれたのは本当に心強かった」(前出・穂刈社長)

 この夏の約1か月間の開所中、槍ヶ岳診療所は数十人を救護した。登山客でにぎわう9月14日から16日のシルバーウィークにも再び医療従事者が入所し、診療と閉所作業を行い、今年の業務を終了する予定だ。

 高山では、誰もが体調を崩し、負傷する可能性がある。しかし、そのリスクを理解したうえで、見てもらいたい景色がある。だからこそ、登山の愛好家でもある医療従事者たちは、無償で山岳診療所を支え続けている。

<取材・文・撮影/中野龍>

【プロフィール】中野 龍(なかの・りょう)/フリーランスライター・ジャーナリスト。1980年生まれ。東京都出身。毎日新聞学生記者、化学工業日報記者などを経て、2012年からフリーランス。新聞や週刊誌で著名人インタビューを担当するほか、社会、ビジネスなど多分野の記事を執筆。公立高校・中学校で1年2カ月間、社会科教諭(臨時的任用教員)・講師として勤務した経験をもつ。

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