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「宅配業者を装って射殺」六代目山口組弘道会が池田組に銃口を向けた背景 「ラーメン組長」射殺事件の復讐か

NEWSポストセブン / 2024年9月12日 21時0分

 現場付近の路上では、2016年8月にも暴力団による刺殺事件があった。現場の幹線道路は交通量こそ多く賑やかだが、志龍会本部の周辺は静かな住宅街だ。当時も、そして今回も、住民はひどく驚き、恐怖しただろう。

 犯人の素性はすぐに分かった。

  六代目山口組の中核組織である弘道会の傘下組織・稲葉地一家に所属する63歳の組員だった。容疑者の所属を聞いて筋書きが見えた。本件はまるで暴力団のお手本のような抗争事件である。実際、なにからなにまで、昭和の暴力団抗争を彷彿させる。

弘道会が抱える「ラーメン組長射殺」の負債

 山口組分裂抗争における殺人事件には2つのパターンがある。一次団体の存亡を懸けた事件と、地元の遺恨が原因となり、殺し合いに発展したケースだ。

 襲撃された志龍会はもともと六代目山口組の二次団体・石井一家から分裂した一派で、宮崎市の暴力団社会には、古巣の石井一家系と池田組系志龍会の根深い対立があった。前述した2016年の事件は石井一家の幹部が殺されたものだが、2020年と2023年には志龍会の幹部が刃物で襲われていた。

 宮崎市では抗争の火種が燻り続けおり、慢性的な緊張状態だった。いつなんどき暴発してもおかしくなかったのだ。

 しかし、今回のヒットマンは、志龍会と接点のない弘道会の傘下組織稲葉地一家の組員だった。では、六代目山口組弘道会に襲撃の動機はあるのか。

 弘道会には“負債”がある。2023年4月、神戸市長田区のラーメン店で直参組長が射殺された事件である。容疑者は今年2月、仙台市内のアパートに潜伏していたところを逮捕された絆會の金澤成樹若頭だ。逮捕時に所持していた拳銃と、ラーメン屋で発見された銃弾の線条痕が一致しているため、金澤容疑者の犯行はほぼ間違いないだろう。実行犯が確定した以上、直参組長を殺された弘道会は、身内を殺した組織に報復せねばならない。

 ならば弘道会はなぜ金澤容疑者の所属する絆會ではなく、池田組傘下の志龍会を襲ったのか。

「池田組では、分裂直後、若頭が弘道会系組員に射殺され、後任の若頭も六代目山口組傘下組織組員に銃撃された。池田孝志組長も理髪中に襲撃されている。ボディガードが返り討ちにしたが、池田組長は『組員を長期刑には行かせない』と公言している。代わりに絆會の織田絆誠会長に実行部隊を担当してもらい、代償として資金提供を約束したといわれている」(警察関係者)

 7月9日、池田組長と織田会長が大阪府警に逮捕された。織田会長の自宅と事務所に、池田組長の親族によって1億円の抵当権が付けられていたが、前出のラーメン店主殺害事件後、ほどなくして抹消されていたことが分かった。抵当権が消えたのは、金澤若頭が実行した殺しの報酬ではないのか、と憶測を呼んだ。事件が池田組の報復を代行したものなら、今回、弘道会が池田組を襲撃した理由も分かる。

志龍会が狙われた理由

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