「史上最年少総理」を狙う小泉進次郎氏が提唱した改革案 「解雇規制見直し」より怖い「年金大改悪」、80歳受給開始なら生涯受給額は激減
NEWSポストセブン / 2024年9月21日 16時13分
自民党の総裁選に勝利すれば「史上最年少総理」となる小泉進次郎・元環境相(43)。若さと“改革の旗手”のイメージを前面に押し出しているが、改めて過去の主張を総点検し、その人脈を洗い直していくと、世間へのアピールとは正反対の実像が浮かび上がってきた。【前後編の前編】
「2倍超に増える」のまやかし
総裁選告示後は企業が社員を解雇しやすくする「解雇規制の見直し」の公約が集中砲火を浴びているが、国民にとってもっと怖いのは進次郎氏がこれまでに「年金大改悪」につながる主張をしてきたことだ。
進次郎氏は安倍政権時代の2016年に党内で「2020年以降の経済財政構想小委員会」(通称「小泉小委員会」)を立ち上げて年金など社会保障改革案をまとめて以来、自民党の「人生100年時代の制度設計特命委員会」事務局長、厚生労働部会長などを歴任。「人生100年型年金」「勤労者皆保険制度」「こども保険」の創設などを提唱してきた。
とくに注視すべきは年金改革の内容だ。
その柱は、【1】年金80歳受給開始、【2】富裕層は年金返上、【3】年金保険料は生涯支払う、【4】非正規社員からも厚生年金保険料を取る──の4つ。
最も物議を醸しているのが「年金80歳受給」だ。進次郎氏は2018年の自民党厚労部会長時代の国策研究会会員懇談会で、現役世代(生産年齢人口)の定義を「18~74歳」と変更するほうが実情に合っていると主張したうえで、こう語っている。
「我々は、受給開始年齢は80歳でもいいのではないかと考えている。60~80歳までの間であれば、受給開始年齢は自分たちで決められるという考え方である」
一部メディアでは誤解して報じられたが、これは「80歳まで年金を受け取れない」という意味ではなく、80歳繰り下げ受給を選べるようにするという主張だとわかる。
だが、そうであっても、「80歳受給開始」は年金大減額を意味する。
現行制度では、受給開始を65歳から1か月遅らせるごとに年金額は0.7%割り増しされる。75歳受給は84%増、「80歳受給開始」の制度ができれば126%増になる計算だ。
年金月額は2倍超になるが、よく考えてほしい。80歳から受け取り始めても、男性の平均寿命は81.09歳だ。
65歳受給開始なら平均寿命まで16年以上あるはずが、進次郎氏の言うように80歳受給開始にするとたった1年しか受け取れない。当然、生涯受給総額は激減する。それを百も承知で「80歳も選べるようにした」と胸を張られてはたまったものではない。
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