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「被災地はゴミ捨て場じゃない」という訴えはなぜ届かないのか

NEWSポストセブン / 2024年9月28日 16時15分

 今回の保存水の件でとくに目立ったのが、「もったいないことをするのは許せない」というわかりやすい正義感を発揮したい人の多さと意固地さ。そういう方は、現地の職員やボランティアが余計な手間や時間を費やす「より重視すべきもったいなさ」には無頓着です。自分の信じている「正義」を疑うのは、とても勇気がいることなのでしょう。

 ただ、大量の「クソリプ」が送られているとはいえ、投稿から1日半の時点で2.5万の「いいね」が付くなど、賛同や共感を示している人のほうがはるかにたくさんいます。意図を理解できていない人からのイチャモンに対して、投稿主に代わって冷静に諭してくれている人もちらほら。世の中もSNSも、捨てたもんじゃありません。

 反発してくる人も、「もったいない」という正義を振りかざす人も、本人は善意に基づいているつもりなのが、またややこしいところ。人は「自分は善意でやっているんだ」と思っているときほど、独善的になったり反対意見に耳を貸さなかったりなど、危険な落とし穴にはまるリスクが高まるようです。「善意なんだから文句を言うな」と主張するのは、居酒屋やスーパーで「こっちは客だぞ」と威張るのと同じ構図かもしれません。

 言うまでもなく、被災地への支援は大切です。ただ、今はどの地域で何が必要なのか、物がいいのかお金がいいのかボランティアに行くのがいいのか、しっかり検討して、せっかくの善意を有効に活用したいところ。そして、被災した方への敬意を忘れないのは大前提です。こんなコラムを書いている自分は、少しですが寄付をさせていただきました。

 被災地のみなさんに一日も早く平穏な毎日が戻ることをお祈りしております。そして、被災地に自己満足を送り付けて迷惑をかける人が少しでも減ることもお祈りしております。

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