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【埼玉運送会社社長殺人】遺体には18か所の傷、腹部の傷は深さ16センチ…滅多刺しした被告が公判で語った身勝手な言い分

NEWSポストセブン / 2024年9月30日 16時13分

運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告

 昨年8月に埼玉県三郷市の運送会社敷地内で社長の男性を刺殺したとして殺人罪などに問われた内田洋輔被告(30)の裁判員裁判が9月にさいたま地裁で開かれ、同月6日、室橋雅仁裁判長は懲役17年の判決を言い渡した(前後編の前編)。

 内田被告は事件を起こした直後、川口警察署に出頭していた。逮捕後の取り調べでは「やられる前にやった」と、被害者男性とのトラブルを匂わせ、自身の身に危険が差し迫っているかのような供述をしていたが、公判では「やられる」心配が全くなかったことが明らかになった。内田被告は被害者男性から借金をしており、返済を求められたが応じず、最終的に滅多刺しにしていた。

 埼玉県三郷市の運送会社「AKトランス」敷地内で、同社を経営していた大川幸一郎さん(52=当時)が殺害されたのは2023年8月29日夜のこと。従業員からの通報を受け警察官が駆けつけたところ、意識のない状態で駐車場に倒れている大川さんを発見。病院に搬送されたがまもなく死亡した。駐車場には広範囲にわたり血痕が残されており、大川さんの上半身は包丁で滅多刺しにされていた。

 通報から約1時間後、現場から20キロほど離れた川口警察署に出頭し、「間違いない」と大川さん殺害を認め逮捕されたのが、自称アルバイトの内田被告だった。のちに殺人と銃刀法違反で起訴された内田被告は、9月2日にさいたま地裁で開かれた裁判員裁判初公判で「間違いありません」と公訴事実を認めた一方、冒頭陳述で弁護人は「『やられる前にやった』……出頭した内田さんはこう話しました」と、大川さんとのトラブルを主張した。ところが公判で取り調べられた証拠からは、むしろ内田被告が借りた金を大川さんに返済していなかったことが分かった。

逃げる被害者を追いかけて執拗に刺した

 検察側冒頭陳述や証拠によれば、内田被告は2022年に詐欺未遂で有罪判決を受け服役し、2023年1月に出所した。その後、かねてより知人関係にあった大川さんから借りていた生活費などの返済を求められるようになったという。しかし内田被告が返済に応じないことから同年3月、大川さんは内田被告同席のもと、被告の父親に代理で返済して欲しいと求めたが、父親もこれに応じなかった。

 借金返済の話し合いは事件の2日前から「AKトランス」にて改めて行なわれた。8月27日、大川さんは内田被告に借金返済を求めたが、内田被告は応じなかった。この日、内田被告はスーパーで包丁を購入していた。

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