【自民党総裁選の内幕】「最後の最後でしゃしゃり出た派閥のボス」蓋を開ければ終わっていなかった派閥政治、能力不足は百も承知で担ぎ上げられた小泉進次郎氏
NEWSポストセブン / 2024年10月6日 11時13分
なんのことはない、蓋を開ければ自民党の派閥政治は終わっていなかったというわけだ。
「割を食ったのは麻生派の河野太郎氏(61才)でしょう。前回総裁選は2位と健闘したのに、今回は派閥の親分である麻生氏から頼みの麻生派の票を引きはがされ、1回目の投票で8位と惨敗してしまったのですから。派閥の意向に翻弄されたわけです」(前出・全国紙政治部記者)
そもそも極端な発言で物議を醸す高市氏だが、麻生氏が支持を表明する前から強く新しいリーダー像を期待され、“総理本命”に急浮上していたのだ。しかし、“派閥の論理”で期待は泡に消えた。それ以上に、総裁選でいちばんの“道化役”を演じさせられたのは小泉氏だろう。
「史上最年少総理の誕生か」とマスコミの脚光をあび続けたにもかかわらず、決選投票には残れず3位に終わった。元時事通信社政治部長で政治ジャーナリストの泉宏さんは、今回の総裁選は小泉氏を「選挙の顔」として担ぎ上げようとした自民党議員たちの思惑を軸に展開されたとみている。
「進次郎氏は少なくとも通常国会(6月23日会期末)までは出馬をまったく考えていなかったと思います。国会が終わって、菅義偉元首相が進次郎氏を総裁選に担ぎ出そうと動き出す。そこから流れが始まった」
菅氏は国会閉会後、裏金問題で支持率が下がり続けた岸田前首相を「このままでは(自民党が総選挙に負けて)政権交代してしまうとの危機感を持つ人は増えている」と厳しく批判。有力議員との会合に小泉氏を招くなどして総裁選出馬を促した。政治ジャーナリストの宮崎信行さんはこんな見方をする。
「菅氏は首相だった3年前の総裁選で岸田氏に“菅降ろし”を仕掛けられて退陣に追い込まれた経緯があります。それだけに岸田氏への恨みが強い。だから今回はかわいがっている進次郎氏を総裁選に立てて岸田氏を総理から引きずりおろそうというスタンスでした。進次郎氏も岸田政権では閑職に追いやられてましたから、気持ちが傾いたのでしょう」
それを後押ししたのが裏金問題で揺れる旧安倍派・元会長である森喜朗元首相(87才)だった。
「進次郎氏は父の小泉純一郎元首相から『50才までは総裁選に出さない』と言われていました。純一郎氏は息子の経験不足を心配していたわけです。しかし、なんとしても人気のある総理を誕生させて裏金問題を吹き飛ばしたかった森氏は純一郎氏と会合を開いて『絶対に進次郎氏がいい』と説得し、総裁選出馬を認めさせた」(前出・全国紙政治部記者)
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