《六代目山口組トップを狙う気だったのか》元神戸山口組No.2の初公判で提出された“戦慄のメモ用紙” 記されていた「司」「高山」の苗字と住所
NEWSポストセブン / 2024年10月14日 16時59分
事件の捜査を担当した兵庫県警の巡査部長、警部補も証人として出廷。「防犯カメラをどのように収集したか」から「集めた映像をどう精査したか」などを証言し、検察も質問を繰り返したが、その質問、回答に対して弁護側から「中田被告を犯人だと決めつけている」などと異議が相次いで入った。
裁判長も「捜査員の心象を述べているに過ぎない。客観的事実のみ述べよ」と検察に対して指摘するなど、法廷にはピリついた空気が流れていた。
法廷が再びどよめいたのは検察が提出した1枚のメモ用紙だった。2019年12月、中田被告が逮捕された際に所持していたもので、「司」「高山」という名前と住所が記されていたという。
「司、高山は言うまでもなく、抗争相手の六代目山口組の司忍組長、高山清司若頭を指すものでしょう。そして、記されていた住所は、警察のデータベースによると、司組長、高山若頭の関係先、立ち寄り先と一致していたことが明かされた。
高山若頭は銃撃事件があった2019年の10月に、約5年4か月の服役を終えて出所したばかり。今回審理されている事件の直接的な証拠にはならないが、中田被告が六代目のトップ2人に対し、何らかの事件を起こす考えもあったのではないかと驚きが広がった」(前出・実話誌記者)
検察は、犯人が犯行時に使用した黒い原付バイク、犯行後に乗り換えた白いスクーターがそれぞれ山健組に関係する車体、中田被告に関係する車体であったという供述も提出。さらには中田被告の過去の逮捕歴も証拠としたが、いずれも中田被告が実行犯だとする決定的証拠は提出されなかった。
被告人質問で中田被告が口にした言葉
検察が積み重ねた証拠に対して中田被告はどう供述するのか。10月11日午後に被告人質問が実施された。証言台に座った中田被告は背もたれに寄りかからず、背筋を伸ばし、胸を大きく張り、弁護士の「被告人質問にどう対応するか」という問いかけにこう答えた。
「すべて黙秘権を行使します」──その言葉通り、以後、検察の質問にはすべてこの一言しか口にしなかった。「事件当日の服装は?」「逮捕されたのはなぜ?」「犯人が中田被告の家に入ったのは?」という事件の核心に関わる質問は当然のこと、経歴、肩書といった公判冒頭の人定質問では口にしていた質問に対しても「黙秘権を行使します」と答え続けた。
裁判官の質問に対しても「誠に申し訳ありませんが」と口にしたものの同様の対応だった。一般市民から選ばれた裁判員の「利き手はどちらですか?」という質問に対しては予想外だったのか、弁護士の顔を見る一瞬の間があったものの答えは変わらなかった。
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