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【目の前で目撃】37歳で急逝・桜塚やっくんの命日に元バンドメンバーが墓参り 事故当日の詳細を初告白「悔やんでも悔やみきれません」

NEWSポストセブン / 2024年10月15日 11時13分

 2013年10月5日。九州で開催されるイベントに出演するため、バンドメンバーはやっくんの運転で現地へ向かっていた。しかし、そのワゴン車は中央分離帯に衝突し、単独事故を起こしてしまった。

「あの事故が起きる直前は、まるでスローモーションのようでした。死ぬ……そう思った瞬間、ぶつかった後の対応まで考えられるほどに時間が長く感じられました。車がゆっくりと中央分離帯に向かい衝突すると、一気に火花を散らしながら停車しました。僕はすぐさまハザードランプを押したのですが、怪我をしていたため、息ができず苦しくなり、痙攣を起こしながらよだれをずっと垂らしてうずくまっていました」

 その後、さらなる悲劇が起こってしまった。

「後ろの席に座っていたマネージャーが、救急車か警察を呼んでくれようと電話対応しながらスライドドアを開けて走行車線に出たところ、後方からトラックが突っ込んできたんです。当時は霧雨で視界も悪く、地元でも知られた事故多発地帯……様々な悪条件が重なり、2度目の事故が起きてしまいました」

 ほかのメンバーはずっと叫び声をあげており、TaiGaは痛みに耐えながら後ろを振り返ったそうだ。

「数秒前まで生きていたマネージャーは亡くなっていました。その姿を見た瞬間、『これはあかん!』と思い、不思議なことにそれまで痙攣していた身体の痛みがスッと消えて動けるようになりました。後方に注意し、急いで車を降りて後ろに走っていき、事故を起こしてしまったことを後続車に気づいてもらえるよう、着ていた服を脱いで振り回しました」

「救急車と警察を呼んでください!」

 この時、やっくんにはまだ意識があった。やっくんはほかに被害者が出ないよう、痛みを堪えて事故現場で必死になっているTaiGaのもとに走ってきたという。

「やっくんの姿を見た僕は、携帯も持たずに車の外に出てしまったので、『やっくんは救急車と警察を呼んでください!』と叫んだんです。わかった! と言い、やっくんは走って車に戻っていきました。なんとしてもこれ以上の事故を避けるために意識が朦朧とする中、衣類を振り回していましたが、中央分離帯にいる僕の横を過ぎ去った車に、やっくんがはねられてしまったんです」

 彼は、当時のことを今でも疑問に思っていると言う。

「一番後ろには僕がいて、やっくんも比較的安全な中央分離帯を行き来していたはずなのに、なぜはねられてしまったんだろう?』と、悔やんでも悔やみきれないです。事故の詳細はこれまで多くのメディアの方から聞かれましたが、当時の自分の細かな行動や心境は初めて語ったかもしれません。

 まだまだ話していなかったことがあるので、話せる範囲でお話していきます。その後、生き残ったメンバーがどんな扱いをされていたかも……」

 重なってしまった不運な事故でやっくん、マネージャーという大事な仲間を失ったグループはその後、どんな道を辿ったのか。そして、10年以上が経った今、TaiGaはどんな生活をしているのだろうか。

(後編へ続く)

◆取材・文/佐藤ちひろ(ライター)

 

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