【松永玲子・佐藤真弓・有森也実に聞く】「50代はまだやり直しがきく」酸いも甘いも知る3人の女優が明かした意外な“片づけたいもの”
NEWSポストセブン / 2024年10月16日 10時58分
佐藤:友人からの報せが、「子供が生まれた」ではなく「孫が生まれた」になってきた(笑)。あと、離婚をしたり考えたりする人も増えましたね。私たち演劇周りはともかく、一般的な人生を送っている人、特に女性にとって「50代半ば」というのは、自分のこと、これからのことを見直す年代なんだと思います。
──世の男性たちにとっては、怖い話ですね。
有森:たぶん、そういう時期なんですよね。60代半ばを越えてしまえば、諦めるというか落ち着くのかも知れませんが、50代ぐらいだとまだやり直しがきく。肉体的にもなんとか余力があり、方向転換して新しいことにチャレンジできる。一方で、いろんなことを受け容れる懐の広さのようなものも若いときより身につけているので、離婚であったり転職であったりと、行動の「振り幅」が大きくなる時期なのかなと。ある意味、ドラマチックな世代とも言えますね。
──終活へ向かうにはまだ早い。まだまだできるし、まだまだやらなくちゃいけない。その辺りが50代のおもしろさであり、また煩わしさでもあるような気がします。
松永:やらなくちゃいけないと感じつつ、そのままでも大きな支障はないから、気づいていないふりすることが増える(笑)。本当に鈍感になったわけではないんだけれど、鈍感力をたてにして見送る。ただ、そうすることで、生きるのが楽にもなっている部分もあるんですよね。
佐藤:部屋の片づけひとつにしても、「今年中に片づけなきゃ」と思ってはいるんだけど、若い頃の「今年中」と50代の「今年中」では、容量がまったく違う。ホント、あっという間に過ぎていく。ここを片づけようと思っているうちに、別の場所に新たな山ができている(笑)。もちろん、その山を見れば胸がザワザワッとはするんだけど、ザワザワしっぱなしだとしんどいので、気づかないふりをして通り過ぎる。気づいていないことにすれば、まぁ大丈夫なので(笑)」
──有森さんはいかがでしょう。気づかないふりをして保留にしていること、ありますか。
有森:片づけるということに関して言えば、私の場合、「もったいない」って気持ちが邪魔しているかも。子どもの頃から、貧乏性なんです。そんなクタクタになるまで使わなくても、世の中には便利なモノがいっぱいあるし、そっちへ体をあずければ棚のなかもきれいに片づく。
分かってはいるんですが、どうしてもできない。もうこれが自分のやり方なんだから、これでいいんだと思って、無理矢理にでも決着をつけるしかないですよね。パートナーやお子さんがいたら話は違うのかも知れませんが、独り身の自由さでなんとか折り合いをつけながらやっています。
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