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《西岩親方直撃》「19歳力士の母と祖母が部屋を匿名誹謗中傷」騒動 親方は「おかみとの関係は普通」「もう終わりにしたい」「幹希の里の覚悟をわかって」と語った

NEWSポストセブン / 2024年10月30日 7時2分

西岩親方(元関脇・若の里)(Xより)

 西岩部屋の騒動が角界関係者の注目を集めている。所属する序二段力士・幹希の里(19)が部屋の公式サイトを通じて「SNS上での同部屋への誹謗中傷が自身の母と祖母によるものだった」ことを公表し、〈縁を切ろうと思い、区役所へ行き分籍しました〉と綴ったのだ。騒動の当事者たちに言い分を聞いた。【前後編の後編。前編から読む】

 もともと、幹希の里とその弟の里田中(序二段)が、兄弟で西岩部屋に所属していた。しかし、弟の里田中は今年の5月場所後に部屋からいなくなり、9月場所後に相撲協会から正式に引退が発表された。弟がいなくなった直後からSNSでの誹謗中傷が始まったとされ、それについて今回、幹希の里が自身の母と祖母によるものだったと公表するに至ったのだ。

 幹希の里は部屋の公式サイトで父親のFacebookの投稿にも言及。〈父がSNSで勝手な憶測と嘘の投稿をしていることが分かり、親方とおかみさんの指導に対して作り話で不満をぶつけ〉ていることを問題視し、分籍に至ったと明かしている。

 兵庫県尼崎市に住む幹希の里、元・里田中の両親は直撃取材に口を閉ざしたが、九州場所のために現地入りしている西岩親方は取材に答えた。幹希の里が部屋の公式サイトに、「相当の覚悟を持って書いた」と説明する西岩親方に、騒動はおかみさんとの人間関係などが原因ではないかとも聞いてみた。すると親方はゆっくりと首を左右に振りながらこう答えた。

「普通だと思います。もちろん理不尽なことや、違う方向に向かっているとしたら、注意しますが、間違っていると思ったことはない。時代が違うが、昔はもっと厳しいことをいわれていた。まだ甘いと思って見ています」

6年で16人中9人が辞めている理由は

 6年間で入門者16人のうち9人が辞めていることについては、それを認めたうえで親方はこう続けた。

「うちは相撲経験がない中学、高校を卒業した子供たちを一から教えている。強豪校で相撲経験がある子供や大学で力士として完成された弟子と違って、相撲の稽古やしきたりに馴染めないケースもあるし、同時に社会生活も教えていかないといけない。たしかにその難しさはあると思う。もちろんイジメとかもない。うちは自ら進んで入門した子が多いので、人間的にも強くたくましく成長してくれている」

 そして、親方は最後にこう締めくくった。

「いろいろあったが、これで向こうがなにもしなければ、終わりにしたい。幹希の里の覚悟をわかってやってほしい」

 少子化も含め、力士のなり手が激減している。もし中学や高校を卒業と同時にプロになってダメだった時に学歴、経歴がつかないためだ。そのため相撲をやるにしても大学を出て学歴をつけてからというケースが多くなる。叩き上げで這い上がっていこうという入門者は減少が続く。

 その結果、学生力士がスピード出世を果たし、幕内を占拠するようになった。そういう状況のなかで、中学や高校を卒業と同時に入門した弟子たちをどのように育てるか。西岩部屋が抱える課題は、まさに相撲界が直面する現実でもある。

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