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【暴力団VS闇バイト】「ウチの縄張りで強盗をしたら断固たる処置を取ります」有名ヤクザ組織が強盗団に“義憤文”を掲げていた 幹部が口にした“掲示の理由”

NEWSポストセブン / 2024年11月7日 7時15分

 ほとんどの事件で使われているのが、飛ばしの携帯電話にインストールされた秘匿性の高い通信アプリである。実行犯を逮捕し、端末を押収して通話記録を調べても、指示役や黒幕になかなかたどり着けない。

 高額なバイト代に釣られた応募者たちは、個人情報を握られ、家族に危害を加えるなどと脅されているという。こうした手口は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の応用編である。悪党たちはオレオレ詐欺を何度も繰り返し、トライ&エラーでノウハウを蓄積、素人をコントロールするマニュアルを確立した。マニュアル作成のため途方もない金と時間と情熱が投資されており、自分は大丈夫だと高をくくっている人間さえコントロールされる。強盗殺人のような凶悪犯罪でさえ実行させられる完成度だから、将来的にはあらゆる犯罪に悪用されるだろう。拳銃を持たせれば、銀行強盗だって可能なはずだ。

 新型強盗の特殊事情を鑑み、警察庁は10月18日、YouTubeの公式チャンネルに『凶悪な犯罪に加担しようとしている方へ』という動画を投稿した。

「自分自身や家族への脅迫が理由であっても強盗は凶悪な犯罪です。犯罪に関わってはいけません。勇気を持って抜け出し、すぐに警察に相談をしてください。警察は相談を受けたあなたやあなたのご家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って、今すぐ引き返してください」

 その裏で、都内の老舗博徒一家が本部事務所前に告知を掲示し、注意喚起をしていたことは、あまり知られていない。警察庁の動画がアップされたのは、その告知が“撤去”された直後だった。

「トクリュウ」と暴力団の関係

 指定暴力団稲川会碑文谷一家本部(東京都品川区)の入口脇には、アクリル板で作られた掲示スペースがある。夏場はここに〈ただ笑う〉と筆文字で書かれた紙が張り出されていた。

 掲示が入れ替えられたのは、今から約1か月前だった。

〈告知。昨今、闇バイト、オレオレ詐欺、強盗等多発しておりますが それらの者、組織、団体には碑文谷一家の縄張りに於いて、当家は断固たる処置を取ります(品川区、大田区、世田谷区一部、目黒区一部)〉(※句読点一部筆者) 

 暴力団の義理回状(*編集部注:襲名、縁組、破門、絶縁など暴力団が他組織に送る文書を指す)風に、おどろおどろしいので、こちらで言葉を補い、勝手に口語訳すれば、「闇バイトを使ってオレオレ詐欺や強盗をしている人間、組織に告ぐ。もし碑文谷一家の縄張りでそのような行為をしたら成敗する」とでもなろう。いまや反社会勢力とまで呼ばれるようになった暴力団が、強盗に対して強い言葉でメッセージを送り、プレッシャーをかけたのだ。

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