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《11月1日改正施行による罰則強化》「ヘルメットとかかっこ悪い」と違法モペットユーザーが爆走中 警視庁は「憧れるのをやめましょう」と呼びかけ

NEWSポストセブン / 2024年11月12日 16時15分

 実際、これまでのルポルタージュでもそうした車両が交番の前を通っても警察官は無視だったり、違反車両の検挙のため路地に隠れる白バイのその路地から出てきた明らかに「違法なモペット」なのにスルーだったりもした。フードデリバリーの配達員があやしい電動モペットに乗る姿もコロナ禍からあったが多くは見逃されてきた。

 11月1日からはそうはいかないかもしれないが、それでも遠くから走っている姿を確実に見極めるのは難しいだろう。

 それでも、だからと言って「自転車のフリ」で「違法なモペット」を運転すれば、とくに事故を起こせば確実にバレる。

 今回の一斉取り締まりでも新宿で飲酒運転かつ無免許で違法な状態のモペットを運転していたとして34歳の飲食店従業員が逮捕されている。彼のように飲酒・無免許・ナンバープレート未交付で走っている人なんているのかと思う方もいるかもしれないが新宿や池袋の深夜ともなれば普通に走っている。11月1日以降も走っている。

 外国人の違法ユーザーも多いとされ、警視庁もモペットをはじめとする電動バイク、電動キックボードに関する日本の規則を知らない在日外国人の事故や違反が相次いでいるとして注意を呼びかけている。

ヘルメットとかナンバーとかカッコ悪い

 都内にある国内正規ディーラーのバイクショップ店長はこう語る。

「そういう違法なモペットは任意保険どころか自賠責も入っていない。そういうユーザーが事故るのは自業自得かもしれないが、ぶつけられた車や人はたまったものじゃない。当て逃げだってあり得る。どこの誰かもわからない、どこの国の人かもわからない、そういう違法なモペットのユーザーが見逃されて走り回る状態は異常だったと思う」

 11月1日からの改正道路交通法施行は多くから好意的に受け入れられていると同時に「遅すぎる」という声もあった。6月30日配信の拙ルポ『《11月から罰則つき違反決定》自転車「スマホながら運転」をする人たちの4つの目的”気づいてもスルー”な警察官もいる実態』から約4ヶ月、悪質な自転車だけでなく、新しいモビリティに対してようやく法が追いつこうとしている。

 電動モペットそのものが悪いわけではない。きちんと「公道走行可」の商品で、その表示通りに道路運送車両法装の保安基準に適合した装備かつ、ナンバープレートの取得および掲示、自賠責保険の契約とヘルメット装着、そして肝心の「一般原動機付自転車等を運転することのできる運転免許証」があれば(法律上の義務はないが任意保険加入も強く推奨)、法的には公道を運転して構わないことになっている。

 ともあれ「違法なモペット」は本当にいますぐ乗るのをやめて欲しい。一歩間違えれば自分の人生が狂うだけでなく他人の人生をも狂わせる。それなのに法改正などどこ吹く風で違法状態のモペット乗りが多すぎる。新宿の広場に集まる若者に今回の件を聞くと「でもしょうがないよ、ヘルメットとかナンバーとかカッコ悪いし」と言っていたが、カッコいい悪いの話ではない、法と命の話である。

 警視庁もSNSでこう啓発している。最後に引く。

〈改正道路交通法施行により、ペダル付き電動バイクについては「ペダルを漕いで走行してもバイクの運転となる」ことが明確化されます。違法なモペットに、憧れるのをやめましょう〉

日野百草(ひの・ひゃくそう)/出版社勤務を経て、内外の社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。日本ペンクラブ広報委員会委員。

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