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三上博史インタビュー「残りの人生、きれいに生きたい。これ以上汚れたり、濁ったりしたくない」ライブバージョンで復活する伝説的舞台“ヘドウィグ”を通して伝えたいこと

NEWSポストセブン / 2024年11月16日 7時15分

 この作品は、性別適合手術をするも、手術ミスにより性器を1インチ残されてしまったロックシンガー・ヘドウィグが、哲学者プラトンの語る「愛の起原」になぞらえて、自分のかたわれを探して全米各地を巡る愛の物語だ。1997年にオフ・ブロードウェイで上演されるや大ヒットを記録し、映画化もするなど、全世界で大ブームを巻き起こした。

 日本でも、多くのアーティストが演じてきたが、三上が主演した初演は伝説的な公演となり、2005年に再演。そして初演から20年を記念し、ライブバージョンとして復活することになった。

トレンディードラマ全盛時代、ライブでイメージを打破

 ライブと聞いて、三上にシンガーとしての印象があまりない、という人もいるのではないだろうか。しかし三上は、20代の頃からライブ活動を活発に行ってきた。当時は、“トレンディードラマのエース”として活躍してきた時代だ。にもかかわらず、全国ツアーもこなしていたとなると、かなり忙しかったのではないだろうか。

「そうですね、でもスタッフに恵まれていましたし、楽しかったです。当時のテレビドラマは、前の週に撮ったものを翌週に放送するようなスピード感で撮影していて、とにかく時間がない。連続ドラマなのに編集する時間がなくて、生放送するケースもあったくらいですから(笑い)」

 だからこそ逆に、実験的なこともできたという。

「スタッフがぼくのことをよくわかってくれていて、先回りしていろいろ考えて役をくれたんです。

 たとえばあるとき、“多重人格の役をやりたくない?”とプロデューサーに聞かれて、いただいたのが『あなただけ見えない』(1992年・フジテレビ系)の三重人格の役。最初は『ジキルとハイド』みたいな……と言われていたのですが、“連続ドラマは長丁場だからもうひとり人格が増えるかも”なんていうノリで役が3人に増えました(笑い)。

 野島伸司さん脚本の連続ドラマ『君が嘘をついた』(1988年・フジテレビ系)の最終回を撮っている最中のロケバスの中では、プロデューサーから“次はどんなのをやりたい?”と聞かれたので、“日本では難しいかもしれないけど、フランス映画『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』(1986年、本能のままに愛し合う男女の姿を赤裸々に描写し、世界的なロングランヒットを記録したフランス映画。監督はジャン=ジャック・ベネックス。日本公開は1987年。)のようなドラマをやりたい”と話しました。そうしたら、翌週には企画書があがってきて……。すごいスピード感でしょ(笑い)」

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